クッルナー・シュラカー(9月14日付、アフマド・ハリーリー記者)は、ダルアー市制圧をめざし、戦闘を続けてきた自由シリア軍南部戦線やアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などからなる「南部の嵐の戦い」作戦司令室の面々が、ハッジと称してサウジアラビアに向かい、地元住民のさらなる怒りを買っていると伝えた。
南部戦線消息筋によると、サウジアラビアに向かったのは、第1軍司令官のサービル・サファル氏、南部戦線作戦司令官のハーリド・ナーブルスィー氏、サラーフッディーン師団司令官のアフマド・ハリーリー氏、さらにアブドゥッラー・カラーイザ氏、アブー・ハサーン・サラーマート氏といった幹部。
また、南部戦線の外の司令官2人は欧州に移民したという。
ダルアー県の活動家らによると、「南部の嵐」作戦は、ダルアー市、アトマーン村、ヌアイマ村、ヤードゥーダ村の住民数十万人に避難生活を余儀なくするなどハウラーン地方一帯に甚大な被害をもたらしたという。
またシリア軍との戦闘により、130人以上の戦闘員が死亡、数百人が負傷し、民間人400人も犠牲となったという。
シリア軍は「南部の嵐」の戦いで、「樽爆弾」3,200発を使用し、ダルアー市や周辺の町・村の90%を破壊したという。
なお、「南部の嵐の戦い」作戦司令室のアドハム・カッラード氏は、クッルナー・シュラカー(9月11日付)のインタビューに応じ、司令室が解体され、作戦遂行がもはや行われていないことを明らかにしていた。
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ダルアー県では、ARA News(9月14日付)によると、ラジャート高地で、ダーイシュ(イスラーム国)に忠誠を誓うヤルムーク殉教者旅団が、アル=カーイダ系組織シャームの民のヌスラ戦線を要撃し、戦闘員8人を殲滅した。
一方、SANA(9月14日付)によると、ダルアー市ビラール・ハバシー・モスク一帯、MTNビル一帯、ゼノビア学校一帯、アブドゥルアズィーズ・アバーズィード・モスク一帯、電力会社一帯などで、シリア軍が反体制武装集団と交戦し、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
AFP, September 14, 2015、AP, September 14, 2015、ARA News, September 14, 2015、Champress, September 14, 2015、al-Hayat, September 15, 2015、Iraqi News, September 14, 2015、Kull-na Shuraka’, September 14, 2015、al-Mada Press, September 14, 2015、Naharnet, September 14, 2015、NNA, September 14, 2015、Reuters, September 14, 2015、SANA, September 14, 2015、UPI, September 14, 2015などをもとに作成。
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