RT(10月1日付)、スプートニク通信(10月1日付)などによると、ロシア国防省のイゴール・コナシンコフ報道官は、ロシア軍が30日に引き続き、ロシア軍がシリア領内のダーイシュ(イスラーム国)やアル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線などの拠点を12回にわたり空爆した、ことを明らかにした。
コナシンコフ報道官はこの空爆に関して、「イドリブ市近郊でテロリストの拠点、弾薬庫、ハマー市近郊の司令部3カ所を破壊した…。また、ヒムス県北部の爆弾弾薬製造工場を直接空爆で破壊した」と述べた。
イドリブ県での空爆では、マアッラト・ヌウマーン市の教練キャンプ、武器庫に対して5回の攻撃を行われたという。
ロシア軍が空爆をしたとされる地域は、アル=カーイダ系組織のヌスラ戦線、ジュンド・アクサー機構、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍、あるいはこれらの組織および連携する反体制武装集団の活動地域。
また、コナシンコフ報道官は、シリア国内のダーイシュに対するロシア軍の作戦には戦闘機とヘリコプター50機以上が参加していることを明らかにするとともに、空爆が、住宅地域から離れた場所を標的とし、また無人航空機や衛星などによる偵察により、ダーイシュの拠点に関する情報を確実に入手したうえで攻撃が行われていることを強調した。
クッルナー・シュラカー(10月1日付)によると、ロシア軍が空爆したのはカフルナブル市郊外のヒルバ村。
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一方、SANA(10月1日付)によると、シリア軍はハマー県のラターミナ町、マンスーラ村を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
シリア軍はまた、ロシア軍による空爆と並行するかたちで、アトシャーン村一帯を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
イドリブ県でも、シリア軍は、ロシア軍による空爆と並行するかたちで、ムハムバル村、タマーニア町、マジャース村、アブー・ズフール町、ジルス・シュグール市・フライカ村街道、スカイク村にあるファトフ軍拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
ヒムス県では、シリア軍は、ロシア軍の空爆と並行するかたちで、カルヤタイン市、バーリダ地区、シャーイル・ガス採掘所一帯で、ダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
シリア軍はまた、タドムル市郊外のワーディー・ザカーラー南東部でダーイシュの車輌を攻撃、さらにウンク・ハワー村ではダーイシュの拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
さらにシリア軍は、ロシア軍の空爆と並行するかたちで、ラスタン市一帯、タイバ村、ガントゥー市、タルビーサ市で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団の拠点を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。
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米国防総省のスティーブ・ウォーレン報道官は、シリア領内での有志連合とロシア軍の偶発的な衝突を回避するための米ロシア両軍の協議が開始されたと発表した。
AFP, October 1, 2015、AP, October 1, 2015、ARA News, October 1, 2015、Champress, October 1, 2015、al-Hayat, October 2, 2015、Iraqi News, October 1, 2015、Kull-na Shuraka’, October 1, 2015、al-Mada Press, October 1, 2015、Naharnet, October 1, 2015、NNA, October 1, 2015、Reuters, October 1, 2015、SANA, October 1, 2015、Sputnik News, October 1, 2015、UPI, October 1, 2015などをもとに作成。
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