テヘランで「シリア国民対話大会」が開催され、シリア政府代表および在内の35の政党・政治組織の代表約170人が出席(2012年11月18日)

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国内の動き

アリー・ハイダル国民和解問題担当国務大臣は、フランスがシリア革命反体制勢力国民連立メンバーのムンズィル・マーフースをシリアの大使として受け入れる意思を示したことに関して、「フランスは敵対国家であるかのように振る舞っている…。シリア占領時代に回帰したいかのようだ」と厳しく批判した。

テヘランでの反体制勢力の大会にイランを訪問中のハイダル国務大臣はまた、「フランスはシリア国民の名のもとに話そうとしている。しかし国民はフランスを何ら重要だと思っていない」と付言した。

AFP(11月18日付)が報じた。

国民対話大会(テヘラン)

イランの首都テヘランで、シリア国民対話大会が開催され、シリア政府代表、35の政党・政治組織の代表約170人が出席した。

SANA, November 18, 2012

SANA, November 18, 2012

SANA(11月18日付)などによると、出席者約170人のうち130人がシリア国内から参加、40人が在外のシリア人や外国の代表。

主な出席者はカドリー・ジャミール経済問題担当副首相兼国内通商消費者保護大臣(変革解放人民戦線、人民意思党)、ハーリド・アッブード人民議会書記長(進歩国民戦線、統一社会主義者党)、アフマド・クーサー(シリア民主党書記長)、ウマル・ウースー議員(シリア・クルド人国民イニシアチブ)、アンマール・バクダーシュ議員(シリア共産党アンマール・バクダーシュ派)、ヌーファル・アブドゥッラー・ヌーファル(民主前衛党党首)、ムハンマド・ワーイル・ジュナイド(国民誓約党青年機構)、サルマーン・アッサーフ・バジャーリー(シリア家族会合議長、シリア部族会合メンバー、シリア国民対話委員会メンバー、国民和解委員会メンバー)、バロウィーン・イブラーヒーム(国民青年公正成長党書記長)、ファーティフ・ジャームース(平和的変革の道潮流)、サーイル・ハティーブ(シリア尊厳党党首)、ムハンマド・イッズッディーン・アフマド(シリア青年協会連合政治局長)など。

ドーハの大会とは異なり、参加政党・政治組織はすべてシリア国内を拠点とする組織。

しかし国内で最大勢力を誇る民主的変革諸勢力国民調整委員会は、大会が「移行期間に関する協議」ではなく、「政権との対話」をめざしているとの理由で、参加を辞退した。

また、シリア革命反体制勢力国民連立など在外の組織は欠席した。

諸外国からは、駐イラン・ロシア大使、中国大使、イラク国民連立代表(イブラーヒーム・ジャアファリー)、トルコのムスタファ・カマラク幸福党党首が出席したが、西側諸国は代表を派遣しなかった。

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開会の辞で、イランのアリー・アクバル・サーレヒー外務大臣は、外国在住の反体制勢力を「非人民的」、「利己的な目的を追求している」と非難する一方、テヘランでの大会を「宗派的・政治的マイノリティ、思想家、エリート、さまざまな政治潮流が参加しているがゆえに重要」だと述べ、イランにはシリア情勢に関して「民主的な諸提案」があると強調した。

また「シリア政府は国民の意思に応える準備があると宣言している。テヘランでの国民対話大会のような大会を設置し、政府と反体制勢力の対話を促そうとしている」と付言した。

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ロシアの代表はセルゲイ・ラブロフ外務大臣のメッセージを伝えた。イラン国営通信(11月19日付)によると、同メッセージにおいて、ラブロフ外務大臣は、欧米諸国による「軍事的アプローチ」を非難「アル=カーイダや過激な組織がシリアの政権を握ること」の危険を警告した。

国内の暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、マッザ区(マッザ86地区)で車に仕掛けられた爆弾が爆発した。

SANA(11月18日付)は、「武装テロ集団」がマッザ区の住宅地を迫撃砲で攻撃、2発が着弾したと報じた。

複数の活動家によると、カフルスーサ区の果樹園などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のために砲撃、空爆を激化させた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団などによると、ハラスター市、フジャイラ村、サイイダ・ザイナブ町、アルバイン市、キスワ地区、ドゥーマー市、ザバダーニー市、ハムーリーヤ市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のため砲撃を激化させた。

一方、SANA(11月19日付)によると、軍・治安部隊がフジャイラ村でシャームの民のヌスラ戦線と交戦し、多数の外国人戦闘員を殲滅した。またダーライヤー市では、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員を殲滅、拠点を制圧した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市西部郊外(アターリブ市近郊)に展開する第46大隊の駐屯地周辺で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

同地域は反体制武装勢力が1ヶ月以上にわたって攻略のための攻撃を続けている。

『ハヤート』(11月19日付)によると、反体制武装勢力(自由シリア軍)は、アレッポ市南部のカラム・ジャバルを制圧したと発表した。

一方、SANA(11月19日付)によると、アターリブ市、ハンダラート・キャンプ、ダーラ・イッザ市、カフルナーハー村、ダイル・ハーフィル市、アレッポ市バニー・ザイド地区、ブスターン・カスル地区、ムスリミーヤ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、SANA(11月19日付)によると、ブーカマール市、ダイル・ザウル市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点を攻撃し、シャームの民のヌスラ戦線の戦闘員多数を殺傷した。

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ヒムス県では、SANA(11月19日付)によると、ヒムス市旧市街などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃、掃討した。

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ラタキア県では、SANA(11月19日付)によると、対トルコ国境に位置するカサブ町郊外で、軍・治安部隊が反体制武装勢力を掃討した。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のタウヒード旅団は声明を出し、「アレッポに対する革命家の制圧を完了すべく」、イドリブ県、ハマー県、アレッポ県、ヒムス県、ラッカ県における旅団の編成を再構築したと発表した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月18日付)は、シリア最高会議の使節団がハサカ県ラアス・アイン市を視察し、「同市は政権から解放されている」ことを確認したと報じた。

使節団は、シリア・クルド進歩民主党政治局(シリア・クルド国民評議会)のアフマド・スライマーン、民主統一党軍事部門幹部(西クルディスタン人民議会)のアールダール・ハリールの2人を団長とし、破壊された市街地、自由シリア軍が占拠する対トルコ国境の通行所などを視察した。

これに対して、自由シリア軍は、ラアス・アイン市が依然として政権の支配下にあると主張、近く攻撃を行うと反論した。

諸外国の動き

中国の杨福昌外務副大臣を団長とする中国の学術使節団が、シリア情勢およびアラブ・中国関係を協議するためカタールのドーハを訪問した。

杨福昌外務副大臣は、「中国はシリア政府を支持していないが、外国の介入を拒否している。我々は危機の平和的解決がシリア国民の利益につながると考えている」と述べた。

またシリア革命反体制勢力国民連立に関して、「もう一方の当事者(シリア政府)との対話のための統一勢力の登場に向けた反体制勢力統合の第一歩」とみなし、アサド政権との対話を拒否するその姿勢を暗に批判した。

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イスラエル国防軍は、ゴラン高原の占領地に対するシリアからの発砲に対して、迫撃砲で応戦し、「おそらく複数のシリア軍兵士が死亡した」と発表した。

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ヨルダンのシリア避難民問題担当報道官のアンマール・ハンムードは、サウジアラビアがザアタリー国営避難民キャンプに寝袋2,500枚を追加支給することを決定した、と発表した。

AFP, November 18, 2012、Akhbar al-Sharq, November 18, 2012、al-Hayat, November 19, 2012、Kull-na Shuraka’, November 18, 2012、al-Kurdiya News,
November 18, 2012、Naharnet, November 18, 2012、Reuters, November 18, 2012、SANA,
November 18, 2012などをもとに作成。

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