2012年11月16日のシリア情勢

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団が、ブワイダ地方で反体制武装集団が軍のヘリコプター1機を撃墜したと発表した。

また地元調整諸委員会は、マルジュ・スルターン村とハムーリーヤ市で反体制武装勢力が軍のヘリコプター2機を撃墜した、と発表した。

シリア人権監視団によると、このほか、カフルバトナー町、アルバイン市および両市周辺で軍が激しい砲撃を加えた。

一方、SANA(11月16日付)によると、ナシャービーヤ地方で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。またカーブーン区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

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ラッカ県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力が数日にわたる攻撃の末、ディブスィー・アフナーン市にある地方自治局施設を制圧した。

一方、SANA(11月16日付)は、ディブスィー・アフナーン市にある反体制武装勢力の拠点を軍・治安部隊が攻撃し、数十人の戦闘員を殺傷し、また同市内で車に仕掛けられた爆弾を解除したと報じた。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団が、シリア海岸地方出身の体制支持者が多く住むタダームン区のナスリーン通りを反体制武装集団が迫撃したと発表した。

これに関して、SANA(11月16日付)は、タダームン区のアミーン通りで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、ほとんどの戦闘員を殲滅し、反体制武装勢力の残党はヤルダー市方面に逃走した。と報じた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、マアッラ・ニウマーン市が軍の空爆を受けた。

一方、SANA(11月16日付)によると、サラーキブ市、タフタナーズ市、ハーリム市、マアッラ・ニウマーン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、拠点を破壊した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハウラ地方に対する反体制武装勢力の襲撃で、兵士3人が殺害された。

一方、SANA(11月16日付)によると、アービル村、クサイル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、外国人戦闘員を含む多数の戦闘員を殺傷した。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市内で共和国護衛隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。

一方、SANA(11月16日付)によると、ダイル・ザウル市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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アレッポ県では、SANA(11月16日付)によると、カフルナーハー村、ズィルバ村、ウワイジル村、ダイル・ハーフィル市、アターリブ市、アレッポ市ブスターン・カスル地区、マルジャ地区、マディーナ・スィナーイーヤ地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトなどを攻撃し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またアレッポ市スィルヤーン・ジャディード地区にあるシリア・フランス病院近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、複数人が死傷した。

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ハマー県では、SANA(11月16日付)によると、バーブ・ターカ村近郊で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またハマー市クスール地区で反体制武装勢力が爆弾を爆発させ、複数の市民が負傷した。

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ハサカ県では、SANA(11月16日付)によると、シャッダーディー市一帯で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の使用していた車輌複数台を破壊した。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(11月17日付)は、ダルアー県ヤードゥーダ村、ヒルバト・ガザーラ町、ハマー県ハマー市、アレッポ県アレッポ市ハナーヌー地区などで、反体制デモが発生し、シリア革命反体制勢力国民連立への支持、自由シリア軍への武器供与支持、イスラエル軍によるガザ空爆反対、ガザ地区、ハマースとの連帯などが訴えられたと報じた。

al-Hayat, November 17, 2012

al-Hayat, November 17, 2012

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アッシリア人権ネットワークは、ダイリーク市を実効支配する民主連合党の人民防衛隊(YPG)に対して、制圧した治安機関の拠点や検問所に委任統治時代の国旗を掲揚するよう呼びかけた。

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シリア国民評議会のジョルジュ・サブラー事務局長はUAEを訪問し、アブドゥッラ外務大臣と会談した。

クルド民族主義勢力の動き

シリア・クルド・イェキーティー党が結成した「殉教者タフスィーン・ミモー大隊」司令官はクルディーヤ・ニュース(11月16日付)に対して、「自由シリア軍が調整なしにアームーダー市に進入すれば、我々は対戦せざるを得ない」と述べた。

同司令官(匿名)によると、アームーダー市一帯はすでに解放されており、自由シリア軍が駐留する必要はない、という。

諸外国の動き

英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣はロンドンを訪問したシリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長、リヤード・サイフ副議長、スハイル・アタースィー副議長と会談した。

会談後、ヘイグ外務大臣は、連立をシリア国民の正統な代表として承認するか否か、反体制勢力への武器禁輸措置継続の是非について来週中に下院で審議するだろうと述べた。

また連立に対して、民主主義とマイノリティ(の権利)を尊重する必要があると述べた。

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ブラジル外務省報道官は、シリア革命反体制勢力国民連立の結成に関して、「国連安保理がこの連立の正統性を表明するいかなる立場も発していない…。その正統性を打ち消すにあたっても国連安保理がこの連立の正統性を承認している必要がある」と述べた。SANA(11月16日付)が報じた。

AFP, November 16, 2012、Akhbār al-Sharq, November 16, 2012、al-Ḥayāt, November 17, 2012、Kull-nā Shurakā’, November 16, 2012, November 18, 2012、al-Kurdīya
News, November 16, 2012、Naharnet, November 16, 2012、Reuters, November 16,
2012、SANA, November 16, 2012などをもとに作成。

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