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国内の動き
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団などによると、軍・治安部隊が東グータ地方での軍・治安部隊と反体制武装勢力の戦闘激化を受けるかたちで、ダマスカス国際空港へ至る街道を閉鎖した。
AFP(11月29日付)がダマスカス住民から得た情報によると、空港当局は住民に対して街道が閉鎖したことを認め、いつ再開するかは定かでない、という。
カイロ国際空港は29日のダマスカス便を欠航し、今後のダマスカス・カイロ便の運行に関する緊急の幹部会合を開く、という。
エミレーツ航空も29日のダマスカス便を欠航した。
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『ハヤート』(11月30日付)によると、タルトゥース県のニザール・イスマーイール知事は、県内の農業用の空港を「近く」民間用の空港に転用する予定だと述べた。
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AFP(11月29日付)によると、午前10時半頃から、ダマスカス県、ダマスカス郊外県を中心にインターネット、国際電話回線、携帯電話回線が不通となった。
地元調整諸委員会によると、通信網の遮断は「政府軍による虐殺」を準備するための措置、だという。
また同委員会によると、通信網が不通となっているのは、ハマー県、ヒムス県、ダルアー県、タルトゥース県、スワイダー県のほぼ全地区、ダイル・ザウル県とラッカ県の一部。
これに合わせて、SANA(11月29日付)も正午から配信を停止、インターネットでの視聴ができなくなった。
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アラビーヤ(11月29日付)は、シリアのウムラーン・ズウビー情報大臣がシリアにおける通信網の遮断はシリア政府の決定ではなく、テロリストの仕業だと述べたと報じた(この発言が事実かどうかは不明)。
国内の暴力
ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東グータ地方で軍・治安部隊による砲撃が続いた。
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アレッポ県では、シリア人権監視団による、アレッポ市の複数地区の空爆で子供5人を含む15人が死亡した。
またアレッポ市アーミリーヤ地区、サラーフッディーン地区、サールーフ地区、スライマーン・ハラビー地区などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。
サフィーラ市では、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、反体制武装勢力の戦闘員2人が死亡した。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊と反体制武装勢力がワーディ・ダイフ基地周辺で激しく交戦した。
またイドリブ市では、市内入り口の「漬け物工場検問所」として知られる軍・治安部隊の検問所で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、反体制武装勢力の戦闘員1人が死亡した。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、反体制武装勢力の戦闘員1人が死亡した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市のバアス党支部長邸前で爆弾が仕掛けられた車が爆発し、守衛3人が死亡、4人が負傷した。
反体制勢力の動き
アレッポ県の第46大隊基地を離反したムハンナド少尉を名乗る人物は、AFP(11月29日付)に対して、SAM-7地対空ミサイル数十基を反体制武装勢力が入手したことを明らかにした。
ムハンナド少尉は12人の兵士とともに第46中隊基地を11月18日に離反し、イスラーム大隊の戦闘員として、反体制武装闘争を行っているという人物。
ムハンマド少尉によると、SAM-17地対空ミサイルは基地の地下に隠されていたが、軍の空爆で現れ、反体制武装勢力に奪取されたという。
またロケット弾を管理していた基地内の責任者は、反体制武装勢力の攻撃が間近だと考えず、またアレッポからの援軍を期待して、ロケット弾を破壊せずに放棄したのだという。
なおムハンナド少尉によると、第46中隊基地攻略により、戦車や装甲車15輌も奪取し、対トルコ国境の後方基地にロケット弾とともに移送した、という。
また基地攻略を指揮したアフマド・ファッジュ准将によると、戦闘で軍兵士300人を殺害、70人を拘束した、という。
ファッジュ准将によると、SAM-7地対空ミサイル数十発は、イドリブ県バーブ・ハワー国境検問所を本拠地とするイスラーム主義武装組織のシャイフ・タウフィークが率いる集団などによって奪取された。
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AKI(11月29日付)によると、反体制組織約60団体が、シリアにおける危機の「戦争的解決」への異議を唱えるため、12月1、2日に各地でゼネストを行うよう呼びかけた。
ゼネストを呼びかけたのは、シャーム・ウラマー連名、自由シリア軍国民治安局派、シリア革命青年、シリア自由人連合、地元調整諸委員会、ダマスカス革命指導評議会、変革のための大学関係者、国民進歩青年党など。
クルド民族主義勢力の動き
シリア・クルド国民評議会のファイサル・ユースフ事務局長はクルディーヤ・ニュース(11月29日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連立のアフマド・ムアーッズ・ハティーブ議長から書簡を受け取り、近くクルド人の要求を回答することを明らかにした。
ユースフ事務局長によると、ハティーブ議長は書簡のなかで「憲法に関わるシリアのクルド人の要求は、自由選挙後まで保留し、選挙後に決する。連立は現時点で憲法に関する問題を決定するにあたってシリア世論やその意思を度外視できない」との意思を表明した、という。
書簡を受け、2~3日中にシリア・クルド国民評議会は会合を開き、対応を決する予定。
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クルディーヤ・ニュース(11月29日付)は、民主統一党に対抗するクルド人が「バルザーニー末裔大隊」を名乗る武装集団を新たに発足したと報じた。
諸外国の動き
アフダル・ブラーヒーミー共同特別代表は、国連安保理で「ジュネーブ宣言に従い建設的な決定を行い、同宣言が定める完全な行政権を有する暫定政府の樹立、そしてそのうえでの選挙の実施を行う」よう訴えた。
暫定政府におけるアサド大統領の処遇に関して、ブラーヒーミー共同特別代表は、「アサドは唯一の問題でもなければ、唯一の解決策でもない。なぜならシリア国民がすべてにも増して重要だからだ」と述べた。
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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、「14歳の子供が少なくとも反体制武装勢力の三つの大隊で武器・装備を輸送、監視を行った」、「16歳の子供3人が正規軍との戦闘地点へと運び、うち1人が軍事教練を受け、軍との戦闘に参加した」との証言を報告、非難した。
AFP, November 29, 2012、Akhbar al-Sharq, November 29, 2012、AKI, November 29, 2012、Alarabia.net, November 29, 2012、al-Hayat, November 30, 2012、Kull-na Shuraka’, November 29, 2012、al-Kurdiya News, November 29, 2012、Naharnet, November 29, 2012、Reuters, November 29, 2012などをもとに作成。
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