2012年11月24日のシリア情勢

国内の暴力

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハラスター市、アルバイン市、ダーライヤー市が軍の砲撃を受け、バイト・スィヒム市、ザバダーニー市、ダイル・アサーフィール市の近郊、ハジャル・アスワド市で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(11月25日付)によると、ダーライヤー市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、「アル=カーイダのテロ狙撃手多数を殺害」した。

またザマルカー町、アルバイン市、バイト・スィヒム市、フジャイラ村、ザバダーニー市などで反体制武装勢力の追撃を続け、シャームの民のヌスラ戦線メンバーや外国人戦闘員を踏む反体制武装勢力の戦闘員を殺傷した。

他方、PFLP-GCは声明を出し、リーハーン地方のPFLP-GC基地が反体制武装勢力の攻撃を受けたと発表した。

シリア人権監視団によると、この攻撃で双方に多数の死傷者が出て、反体制武装勢力が基地を制圧した。

**

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カフルスーサ区の農園、カダム区、タダームン区で軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。

**

アレッポ県では、AFP(11月24日付)によると、マンビジュ市から約10キロの距離に位置するティシュリーン・ダムを防衛する軍を反体制武装勢力が襲撃した。

ユーフラテス川沿いに位置する同ダムは、アレッポ県とラッカ県を結ぶ要衝。

一方、ヌールッディーン・ザンキー大隊の司令官を名乗るシャイフ・タウフィークは、カブターン・ジャバル地方のシャイフ・スライマーン防空大隊基地の攻略に関して、「我々は基地を約2ヶ月にわたって包囲している…。基地を守る兵士300~400人にとって、事態は打開できない」と述べ、「数日中」に基地を制圧できるだろうと述べた。

また「シャイフ・スライマーンが陥落すれば、アレッポ市の西部郊外は解放され、45日以内に今度はアレッポ市が解放されるだろう」と述べた。

シリア人権監視団によると、シャイフ・スライマーン防空大隊基地の攻略をめざす反体制武装勢力は、軍が敷設した地雷を撤去しつつ進軍、これに対して軍が空爆を行い、反体制武装勢力の戦闘員17人が死亡した、という。

また基地からは、反体制武装勢力が拠点とするアターリブ市などへの周辺の村への砲撃が行われている、という。

これに対し、SANA(11月25日付)によると、ファーフィーン村、アレッポ市マンスーラ地区、ムスリミーヤ地区、マイサル地区、ナイラブ地区、マシュハド地区、ジュバイラ地区、ライラムーン地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃、シャームの民のヌスラ戦線メンバーや外国人戦闘員を踏む反体制武装勢力の戦闘員を殺傷した。

またアレッポ市マルジャ地区では、住民が「テロリスト退去」を求めるデモを行い、強制排除を試みた反体制武装勢力の発砲で、女性、子供らが負傷した。

**

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、クサイル市、ラスタン市が軍・治安部隊の激しい砲撃を受けた。

またヒムス市ダイル・バアルバ地区周辺に軍・治安部隊が増援され、同地区への突入が準備されている、という。

一方、SANA(11月25日付)によると、クサイル市および郊外、軍・治安部隊が反体制武装勢力掃討のための特殊作戦を実施し、多数の戦闘員を殺傷、装備を破壊した。

またヒムス市ハーリディーヤ地区では、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員数十人を殺害した。

**

イドリブ県では、SANA(11月25日付)によると、マアッラト・ヌウマーン市郊外の街道で、軍・治安部隊がシャームの民のヌスラ戦線のアジトを攻撃し、多数の戦闘員を殺害、装備を破壊した。

一方、反体制武装勢力はアリーハー市の野菜市場で市民に向けて無差別発砲し、女性1人が負傷、多数が負傷した。

**

ラタキア県では、SANA(11月25日付)によると、対トルコ国境のカサブ町の検問所を反体制武装勢力が襲撃、軍・治安部隊が応戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

クルド民族主義勢力の動き

クッルナー・シュラカー(11月24日付)は、シリア・クルド国民評議会と同評議会に属する調整が、市民に対して、金曜日の反体制デモを行わないよう要請した、と報じた。

この要請は、ラアス・アイン市でのクルド人と自由シリア軍の武力衝突など事態が緊迫化するなかで、アラブ人とクルド人の民族間の対立が唱導されることを懸念したもの。

**

シリア・クルド・イェキーティー党のムスタファー・ウースー書記長は、クルディーヤ・ニューズ(11月24日付)に対して、シリア革命反体制勢力国民連合が、クルド人の民族としての権利を憲法に明記することを承認すれば、シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会は連合に加わることを拒否しないだろう、と述べた。

諸外国の動き

イランのアリー・アーリージャーニー諮問評議会(国会)議長は、シリア、レバノンに続き、トルコを訪問し、イスタンブールでレジェップ・タイイップ・エルドアン首相と会談した。

AFP, November 24, 2012、Akhbār al-Sharq, November 24, 2012、al-Ḥayāt, November 25, 2012、Kull-nā Shurakā’, November 24, 2012、al-Kurdīya News, November 24, 2012、Naharnet, November 24, 2012、Reuters, November 24, 2012、SANA, November 24, 2012などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.

カテゴリー: シリア政府の動き, 反体制勢力の動き, 国内の暴力, 諸外国の動き パーマリンク