シリア軍、ロシア軍がダルアー県のシャイフ・マスキーン市への攻勢を強める一方、ヒムス県では連続自爆テロが発生し、住民30人以上が死亡(2015年12月28日)

ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍と思われる戦闘機がシャイフ・マスキーン市一帯に対して少なくとも50回の空爆を行う一方、同市北部および周辺一帯では、シリア軍、国防隊がジハード主義武装集団と交戦した。

マサール・プレス(12月28日付)などによると、シャイフ・マスキーン市北部一帯に展開していた反体制武装集団の第82旅団ナイラーン大隊は、空爆・砲撃を受け撤退、シリア軍は同市北部を奪還したという。

またマサール・プレスによると、シリア軍と反体制武装集団は、カフルシャムス町、ズィムリーン村、ヌアイマ村で交戦、反体制武装集団側は、ダルアー市内治安厳戒地区、カルファー村、第12旅団基地(イズラア市)、ヒルバト・ガザーラ町検問所を砲撃したという。

一方、SANA(12月28日付)によると、シリア軍がシャイフ・マスキーン市周辺部一帯でシャームの民のヌスラ戦線、イスラーム・ムサンナー運動、シャーム自由人イスラーム運動などからなるジハード主義武装集団に対する軍事作戦を開始し、市周辺および市内の複数の拠点を制圧した。

シリア軍はまた、ガズラーン農場北部、ダルアー市難民キャンプ地区、工業銀行東部、アッバースィーヤ地区、電力機構東部でも反体制武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

このほか、クッルナー・シュラカー(12月28日付)などによると、シリア革命反体制勢力国民連立ダルアー県評議会議長を名乗るヤアクーブ・アンマール氏がタファス市郊外で何者かに拉致された。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市ザフラー地区で自爆ベルトを着用した男性が爆弾を爆発させ、住民少なくとも32人が死亡、90人近くが負傷した。

一方、SANA(12月28日付)によると、シリア軍がティールマアッラ村、タルビーサ市、サリーム村、クナイトラート村でシャームの民のヌスラ戦線を攻撃し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

Kull-na Shuraka', December 28, 2015

Kull-na Shuraka’, December 28, 2015

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がタイバ村で反体制武装集団が掘削した地下トンネルを破壊し、ジハード主義武装集団の司令官1人を含む複数人が死亡した。

シリア軍はまた、マルジュ・スルターン村一帯、ビラーリーヤ村農場地帯で反体制武装集団と交戦、ムウダミーヤト・シャーム市に対して「樽爆弾」を投下し、ジハード主義武装集団メンバー2人が死亡した。

ARA News(12月29日付)によると、ザブディーン村に対するシリア軍の空爆、砲撃で、30人以上が死傷したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がカフルナブル市北東部一帯、ハーン・シャイフーン市一帯を空爆した。

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アレッポ県では、SANA(12月28日付)によると、シリア軍がアレッポ市旧市街で、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

シリア軍はまたタッル・アフマル村、ダフラト・アブドゥラッブフ地区、アレッポ市ライラムーン地区、バニー・ザイド地区でヌスラ戦線などの拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

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ハマー県では、SANA(12月28日付)によると、シリア軍が、ワーディー・アンズ、アイドゥーン村、カフルズィーター市、ラターミナ町、カフルヌブーダ町でファトフ軍、ガーブの鷹連合の拠点を空爆し、複数の戦闘員を殺傷、拠点・装備を破壊した。

AFP, December 28, 2015、AP, December 28, 2015、ARA News, December 28, 2015、December 29, 2015、Champress, December 28, 2015、al-Hayat, December 29, 2015、Iraqi News, December 28, 2015、Kull-na Shuraka’, December 28, 2015、al-Mada Press, December 28, 2015、Masar Press Agency, December 28, 2015、Naharnet, December 28, 2015、NNA, December 28, 2015、Reuters, December 28, 2015、SANA, December 28, 2015、UPI, December 28, 2015などをもとに作成。

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