ロシア軍ヘリコプターが、米国の支援を受けるYPGに武器弾薬、イラン人士官、シリア軍士官を移送、アレッポ県北部の「安全保障地帯」掌握に向けた作戦を準備か(2015年12月31日)

ムラースィル・スーリー(12月31日付)は、アレッポ県アフリーン市の消息筋の話として、ロシア軍のヘリコプター複数機が、西クルディスタン移行期民政局アフリーン地区の中心都市である同市に着陸したと伝えた。

同消息筋によると、このヘリコプターは、人民防衛隊への武器弾薬を運ぶとともに、イラン人士官やシリア軍士官を搬送しており、ロシア軍、イラン、そしてシリア政府の支援のもと、人民防衛隊、そして米国が支援する同部隊主導のシリア民主軍が、アフリーン市とアレッポ県東部のアイン・アラブ市の間の地域(米トルコが「安全地帯」に指定している地域)、そして同地域の中心都市の一つアアザーズ市の制圧に向けた動きを強めている、という。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県北部のタナブ村、カシュタアール村一帯で、西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。

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同じくアレッポ県では、シリア人権監視団によると、フライターン市近郊のアジア地区にあるシャーム戦線の武器弾薬庫近くで爆弾が仕掛けられた車が爆発し、戦闘員と思われる3人が死亡、13人が負傷した。

また、ARA News(12月31日付)によると、米トルコが設置合意した県北部の「安全地帯」内のアナダーン市で、ダーイシュ(イスラーム国)が爆弾を仕掛けた車2台を連続して爆破し、民間人複数人が死傷した。

AFP, December 31, 2015、AP, December 31, 2015、ARA News, December 31, 2015、Champress, December 31, 2015、al-Hayat, January 1, 2014、Iraqi News, December 31, 2015、Kull-na Shuraka’, December 31, 2015、al-Mada Press, December 31, 2015、Murasil Suri, December 31, 2015、Naharnet, December 31, 2015、NNA, December 31, 2015、Reuters, December 31, 2015、SANA, December 31, 2015、UPI, December 31, 2015などをもとに作成。

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