国連安保理でジュネーブ3会議中断に関する非公式会合:米露による非難の応酬のなか、デミストゥラ共同特別代表はシリア政府、反体制派双方の対応を非難(2016年2月5日)

国連安保理では、シリア情勢に関する非公式会合が行われ、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連アラブ連盟共同特別代表がテレビ会議システムを通じてジュネーブ3会議の中断に関する報告を行った。

複数の外交筋によると、会合では、ミシェル・スィーソン国連米代表副大使が、ロシアが「ダーイシュ(イスラーム国)ではなく反体制派の支配地域を空爆している」としたうえで、「ロシアは交渉が成功する機会を与えなかった」と批判した。

これに対して、ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使は「ロシアの軍事介入は政治的対話の道を切り開いた」と反論、「ロシアの空爆はダーイシュ(イスラーム国)とテロ組織を標的としている」と強調したという。

一方、デミストゥラ共同特別代表はジュネーブ3会議中断の経緯を説明し、「シリア政府代表団は、政治的プロセスの開始の用意ではなく、手続き面にこだわっていた」と指摘、またリヤド最高交渉委員会については「前提条件のリストを持参し、これによっていかなる実質的進展をも実現する余地がなくなってしまった」ことを明らかにした。

デミストゥラ共同特別代表によると、シリア政府代表団を率いるバッシャール・ジャアファリー国連シリア代表は、国連安保理決議第2254号の詳細(具体的には、人道支援に関する第12、13項を示唆していると思われる)に立ち入ることを望まず、決議全体に対してアプローチしようとし、間接交渉の実施に関する手続き面での問題について対処するよう要求、間接交渉の準備段階に入っているような対応をとったという。

対するリヤド最高交渉委員会は、包囲解除、空爆停止、人道支援物資搬入、逮捕者釈放という「リスト」を提示したという。

しかし、デミストゥラ共同特別代表は、「噂とは異なり、政府側、反体制派側はともに、ジュネーブに戻る用意があり、シリア人主導の政治プロセスを遵守すると明言した」という。

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デミストゥラ共同特別代表の報道官を務めるラムズィー・イッズッディーン氏は、2月25日に再開予定のジュネーブ3会議に関して、「新たな招聘状は出されない」と述べ、シリア政府、リヤド最高交渉委員会任命の代表団、「ロシア・リスト」に記された有力活動家らを軸に交渉再開の準備を進めることを明らかにした。

AFP, February 5, 2016、AP, February 5, 2016、ARA News, February 5, 2016、Champress, February 5, 2016、al-Hayat, February 6, 2016、Iraqi News, February 5, 2016、Kull-na Shuraka’, February 5, 2016、al-Mada Press, February 5, 2016、Naharnet, February 5, 2016、NNA, February 5, 2016、Reuters, February 5, 2016、SANA, February 5, 2016、UPI, February 5, 2016などをもとに作成。

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