反体制武装勢力が国連総会に合わせるかたちでアレッポ市に対する攻勢を強め激戦の様相を呈する、シリア・クルド・アーザーディー党が声明のなかで民主統一党を非難(2012年9月28日)

al-Kurdīya News, September 28, 2012

al-Kurdiya News, September 28, 2012

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シリア政府の動き

国連総会に出席するために米国滞在中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣は、イラン、ロシア、キューバなどの外相と相次いで会談した。

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イタルタス通信(9月28日付)は、英国の国際戦略研究所専門家の話として、アサド政権が60,000人の「シャッビーハ」からなる精鋭部隊の結成を進めていると報じた。

英国の国際戦略研究所専門家によると、西側諜報機関は、イラクの革命防衛隊を模したアラウィー派の「シャッビーハ」からなる武装治安大隊の編成をシリア政府が進めているとの情報を得た、という。

「シャッビーハ」という表現を用いているが、武装犯罪集団を意味するのではなく、アサド政権を熱烈に支持する軍人、諜報機関要員、市民を指すと思われるが、こうした言説は政権支持者を十把一絡げに犯罪者扱いする価値判断を含んだ表現である。

アレッポ市での「決戦」

国連総会に合わせるかたちで、反体制武装勢力が27日夜からアレッポ市に対する攻勢を激化させた。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市東部を中心に27日晩から反体制武装勢力による「複数の前線での…前例のない」攻勢が始まり、軍・治安部隊との激しい戦闘が続いた。

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自由シリア軍のタウヒード旅団の司令官の一人、アブー・フラートはAFP(9月28日付)に対して、「サラーフッディーン戦線で、我々は正規軍の基地の一つを制圧し、少なくとも25人の兵士を殺害した」と述べた。

タウヒード旅団の戦闘員は、「我々は無線で兵士たちが司令官に援軍を求めているのを傍受した。彼らは泣いており、全滅すると訴えていた」と述べた。

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『ハヤート』(9月29日付)は、戦闘員の話として、27日からの戦闘で20人の反体制戦闘員が死亡、60人が負傷したが、数千の戦闘員が体系的に複数の戦線から正規軍に攻撃を行い、サイフ・ダウラ地区、サラーフッディーン地区、イザーア地区、アーミリーヤ地区、スッカリー地区の奪還を目指している、という。

反体制勢力の複数の司令官によると、イザーア地区で進軍に成功した、という。

しかし、サラーフッディーン地区では、アブー・フラートによると、「市街戦を行うには、迫撃砲が必要だ。だが残念ながら、我々は保有していない」という。

旧市街のウマウィーイーン・モスクも、AFP(9月28日付)によると、反体制武装勢力の標的となっている、という。

シリア人権監視団などによると、軍・治安部隊がアレッポ市カッラーサ地区を砲撃した。

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シリア人権監視団のアリー・アブドゥッラフマーン代表は、AFP(9月28日付)に対して、「政府は決着をつけることはできず、また革命家たちも街区を敢然に制圧はできない」と述べた。

このほか、住民によると、サイイド・アリー地区でも、これまでにない激しい戦闘が、軍・治安部隊と反体制武装勢力によって行われ、4人が死亡した。

シリア人権監視団によると、木曜晩からの同地区での死者数は5人だという。

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AFP(9月28日付)によると、反体制武装勢力が制圧しているとされるアルクーブ地区、マイサルーン地区に対して、軍・治安部隊が激しい攻撃を加えた。

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ロイター通信(9月28日付)は、ベイルートからの電話取材で、戦闘員が「我々はスライマーン・ハラビー地区に到達し、一部地区を解放した。今のところ楽観的だが、我々の組織について懸念している。我々は体制を駆逐できない。もっともよく見積もっても幾つかの地区で前進できるだけだろう」と述べたと報じた。

また別の戦闘員は、「一部の反体制勢力の部隊が前線に撤退した。また一部の部隊は、そもそも戦闘にさえ加わっていない」とロイター通信(9月28日付)に述べたという。

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シリア人権監視団によると、クルド人が多く住むアレッポ市シャイフ・マスウード地区に反体制武装勢力が突入したが、戦闘員10人が殺害された。

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一方、SANA(9月28日付)によると、アレッポ市シャイフ・マクスード地区、旧市街、ブスターン・バーシャー地区、バルクーム橋周辺、カフル・ハラブ村、アウラム・クブラー町、バーブ市、マーリア市・アフタリーン市間の街道などで軍・治安部隊が「テロリスト」と「外国人傭兵」からなる反体制武装勢力と交戦したほか、拠点、アジトを攻撃し、甚大な被害を与えた。

アクス・サイル(9月28日付)は、アドナーン・アブドゥー・サフニー工業大臣の弟のマルワーン・サフニー(アジア製薬社社長)が27日にアレッポ市内で10人ほどからなる反体制武装勢力に誘拐された、と報じた。

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このほか、シリア人権監視団によると、軍の戦闘機がアアザーズ市を空爆した。

その他の国内での暴力

ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、バルザ区、ジャウバル区、カーブーン区で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃した。

一方、SANA(9月28日付)によると、カーブーン区で軍・治安部隊が反体制武装勢力によって誘拐されていた民間人2人の釈放に成功した。

またカーブーン区、バルザ区で戦闘員多数を殺害した。

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ダマスカス郊外県では、SANA(9月28日付)によると、スィーディー・ミクダード町で、反体制武装勢力が正統カリフ・モスク、イブン・アスワド・カンディー・モスクに砲撃を加え、損害を与えた。

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ヒムス県では、SANA(9月28日付)によると、ヒムス市バーバー・フード地区、スルターニーヤ地区、スーク・ハシーシュ地区、タルビーサ市、ティル・マアッラ村、ガントゥー市、ラスタン市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員多数を殺傷、甚大な被害を与えた。

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イドリブ県では、SANA(9月28日付)によると、サルミーン市、アリーハー市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員多数を殺傷、甚大な被害を与えた。

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ラタキア県では、SANA(9月28日付)によると、サルサキーヤ村、スーラース遺跡、バイト・ハリービーヤ村、ザフラー村などの森林に反体制武装勢力が放火した。

また反体制武装勢力はスーラース遺跡の民家を砲撃した。

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ダルアー県では、SANA(9月28日付)が、ダルアー・スワイダー県ムフティーのリズク・アバーズィード師が27日晩に反体制武装勢力によって誘拐されたと報じた。

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ダイル・ザウル県では、シリア作家連盟が声明を出し、小説家のイブラーヒーム・ハリートと、息子のスーミルが平和的デモを支持し、「アサド殺人大隊、シリア人、イラク人、イラン人からなるシャッビーハの罪を非難」したとの理由で、ダイル・ザウル市で治安部隊に処刑された、と発表した。

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SANA(6月28日付)は、イフバーリーヤ・チャンネルのHPがハッカーによる侵略を受けたと報じた。

反体制勢力の動き

「アフバール・シャルク」(9月29日付)は、国内外の反体制武装組織が革命軍事評議会合同司令部なる新たな組織を結成し、反体制活動家に参加を呼びかけた、と報じた。

この組織は、総司令部、連絡調整局、各県軍事評議会からなる。

報道官にあたるマーヒル・ヌアイミー連絡調整局長は、国内の武装組織の80%がこの組織に参加していると豪語した。

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タウヒード旅団のアブドゥルカーディル・サーリフ作戦司令官は、同旅団のフェイスブックで、クルド民族主義政党の民主統一党支持者に対して自由シリア軍に武力抵抗しないよう「最後の要請」を行った。

サーリフ司令官は、「武器を放棄し、負け戦に身を投じないよう、PKKの悪党たちに最後の要請を行った…。戦闘大隊に武器を向ける者は、ただちに狙撃されるだろう」と警告を発した。

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シリア人権監視団は、アレッポ市のフィルドゥース地区、ブスターン・カスル地区、アンサーリー地区、アシュラフィーヤ地区、スッカリー地区、フルカーン地区、バーブ・クンサリーン地区、マアーディー地区、シャッアール地区、カーティルジー地区、ハラブ・ジャディーダ地区で反体制デモが行われたと発表した。

デモでは自由シリア軍の糾合が求められたという。

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フェイスブックなどでは、反体制活動家が「自由シリア軍諸大隊統一の金曜日」と銘打ってデモを呼びかけていた。

クルド民族主義勢力の動き

ハサカ県では、『クッルナー・シュラカー』(9月28日付)によると、ダイリーク市、マアバダ町、タルバースィーヤ市、カーミシュリー市、アームーダー市、ダルバースィーヤ市、ラアス・アイン市で、金曜礼拝後に反体制デモが発生し、クルド人が居住する地域での自由シリア軍の諸大隊の統合が求められたと報じた。

同報道によると、デモには若干のアラブ人が参加する一方、キリスト教徒は不参加だった、という。

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『クッルナー・シュラカー』(9月28日付)は、ハサカ県で、民主統一党が軍・治安部隊の協力のもと検問所を増設し、自由シリア軍を含む反体制武装勢力の潜入への警戒態勢を強めている、と報じた。

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シリア・クルド・アーザーディー党は声明を出し、民主統一党がクルド最高委員会に関するエルビルでの合意を無視し、挑発的な方法でアーザーティー党の活動を非難・抑圧しようとしていると批判した。

諸外国の動き

『ハヤート』(9月29日付)は、ヨルダンのザアタリー国営避難民キャンプでの処遇に抗議して、シリア人非難民約7,000人がシリアに帰国した、と報じた。

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国連人権理事会で、シリアでの人権侵害を調査するための国連人権理事会調査委員会(パウロ・セルジオ・ピネイロ委員長)の任期延長の採決が行われ、承認されたた。

ロシア、中国、キューバが反対票を、インド、ウガンダ、フィリピンが棄権した。

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レオン・パネッタ米国防大臣は、シリアの化学兵器に関して、アサド政権が「より安全な」場所に移動させたとしたうえで、「反体制武装勢力がこれらの武器を入手したかどうかは分からない」と述べた。

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ニューヨークで、シリアの友連絡グループ会合が開かれ、約20カ国の代表、反体制活動家9人が出席した。

会合で議長を務めたヒラリー・クリントン米国務長官は、イランによるアサド政権全面支持を強く非難、シリアの反体制勢力に4500万ドル相当の「人道支援」を行うと発表した。

また『ハヤート』(9月29日付)によると、クリントン米国務長官は、「米国の新路線はイラクでの経験に基づく「覚醒」の発想に力点を置くこと」と述べ、シリア・ムスリム同胞団の傀儡と化したシリア国民評議会への支援停止を示唆、「過激派に部族を対抗させる…覚醒」をめざすとの意思を示した。

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トルコのドーアン通信(9月28日付)によると、シリア領から発射された迫撃砲がトルコ領内のアクチャカレに着弾し、家屋などが被害を受けた。

AFP, September 28, 2012、Akhbar al-Sharq, September 28, 2012, September 29, 2012, October 2, 2012、ʻAks al-Sayr, September 28, 2012、al-Hayat, September 29, 2012、Kull-na Shurakaʼ, September 28, 2012、al-Kurdiya News,
September 28, 2012、Naharnet.com, September 28, 2012、Reuters, September
28, 2012、SANA, September 28, 2012などをもとに作成。

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