2012年9月27日のシリア情勢

シリア政府の動き

AKI(9月27日付)によると、当局が携帯電話のSMSサービスを利用して、反体制武装勢力戦闘員に投降を呼びかけるメッセージを発信した。

メッセージはシリア・アラブ軍の名で発信され、少なくとも4種類のメッセージの配信が確認されている。

これらのメッセージでは、「国家への犯行に関与する者よ。あなたの名を使って資金を得た者たちは、あなたに二つの選択肢を迫っている。国家と戦ってあなたが殺されるか、彼らがあなたを殺して、あなたとの関係を清算するかか、という選択肢を。国家はあなたに慈悲をかけるだろう。考えて決めよ」、「国家に対して武器を向ける者へ、彼らはあなたが死ぬように仕向けている…。武器を捨て、命を大事にせよ」、「国家に対して武器を向ける者へ、ゲームは終わった。周辺国からの戦闘員を排除するためのカウントダウンが始まった。国家はその民を守る。決断を下せ」などと書かれているという。

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国連総会に出席するために米国を訪問中のワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣が、マレーシア、ウクライナ、アルジェリアの外相と会談した。

国内の暴力

ハサカ県では、シリア人権監視団によると、県南部の石油パイプラインで大きな爆発があり、またタッル・バイダー給油所の所長が誘拐された。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ナイラブ航空基地で激しい戦闘があり、軍・治安部隊と反体制武装勢力の双方が甚大な被害を被ったという。

またICARDA近くの検問所で爆弾が仕掛けられたバスが爆発した。AFP(9月27日付)によると、バスには乗客は乗っていなかった。

AFP(9月27日付)は、タウヒード旅団の司令官アブー・フラートが、アレッポ市に通じる街道沿いのすべての地区を制圧したと述べている、と報じた。

しかし、アレッポ市スライマーン・ハラビー地区、サーフール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、バーブ街道地区、カッラーサ地区は軍の激しい砲撃に曝され、またサーフル地区、アシュラフィーヤ地区、ザフラー地区では軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦し、多数が死傷したという。

さらに、シリア人権監視団によると、「トゥルクマーン山とクルド山」の村々で、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、SANA(9月27日付)は、アレッポ市ブスターン・バーシャー地区、ハイダリーヤ地区で軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、戦闘員数十員を殺害、多数を負傷させた、と報じた。

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ダマスカス県では、SANA(9月27日付)によると、軍・治安部隊がジャウバル区の浄化を完了した。

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ハマー県では、SANA(9月27日付)によると、ハウワーシュ村で、軍・治安部隊が反体制武装勢力に対する特殊作戦を行い、戦闘員多数を殺傷した。

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ダルアー県では、ダルアー県では、シリア人権監視団によると、反体制武装勢力がムザイリーブ町が警官を拉致したのを受け、軍・治安部隊が砲撃、突入し、複数が死傷した。

一方、SANA(9月27日付)によると、ダーイル町などで軍・治安部隊が反体制武装勢力「残党」を追撃し、多数の戦闘員を殺傷し、大量の武器弾薬を押収した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ラスタン市、ジュワイスィーヤ市に軍・治安部隊が砲撃を再開した。

一方、SANA(9月27日付)によると、ヒムス市各地、ズィラーア市、シヤーハート市、ジュワイスィーヤ市、ラスタン市、クサイル市などで、軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

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ラッカ県では、SANA(9月27日付)によると、タッル・アブヤド市で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、戦闘員多数を殺害、車3台を破壊した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフーン市が砲撃に曝され、子供4人を含む5人が死亡した。

またジスル・シュグール市近郊では、軍の兵士2人が殺害された。

一方、SANA(9月27日付)によると、アブー・ズフール市で軍・治安部隊が外国人戦闘員の拠点に対する特殊作戦を行い、装備を破壊した。

またガッサーニーヤ村を襲撃した外国人戦闘員を追撃した。

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タルトゥース県では、シリア人権監視団によると、前日にバーニヤース市で逮捕されていた女性が釈放された。

反体制勢力の動き

AKI(9月27日付)は、(在外の)自由シリア軍消息筋が、リヤード・アスアド大佐による司令部の国内への移転を受け、「解放区」における反体制武装集団の統合プロセスを急ピッチを進めており、共同活動を受け入れない武装集団は、「解放区」からの退去を求められるか、強制的に追放されると述べた、と報じた。

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シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者はAFP(9月27日付)に対して、ロシアの拒否権行使は他の主な大国がアサド政権打倒に向けて行動しないことの口実になっている、と述べ、これまで反体制勢力を支援してきた欧米諸国などを暗に批判した。

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シリア人権監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表は、国連総会に合わせるかたちで声明を出し、2011年3月1日以来の死者としては最大となる305人が殺害されたと発表した(真偽は不明)。

AFP(9月27日付)が伝えた。

クルド民族主義勢力の動き

クルディーヤ・ニューズ(9月27日付)は、アレッポ県アフリーン地方で、自由シリア軍のサラーフッディーン・アイユービー大隊とPKK系の民主連合党に属する人民保護委員会(民兵)が交戦したと報じた。

アフリーン友愛調整なる組織はフェイスブックで、戦闘が民主連合党の要撃で始まり、自由シリア軍兵士1人、民主連合党の戦闘員2人が死亡したと発表した。

しかし、PKKに近いユーフラテス通信は、戦闘が自由シリア軍の外国人戦闘員による民家攻撃に端を発していると反論、サラーフッディーン・アイユービー大隊がトルコの諜報機関とシリア・クルド・アーザーディー党の後援を受けていると批判した。

レバノンの動き

NNA(9月27日付)は、シリア軍がベカーア県バアルベック郡カーア地方に進入し、ムハンマド・アキール・ラーディー氏の家を破壊した。

シリア軍は、武装集団を追跡していたという。

諸外国の動き

国連難民高等弁務官事務所は、現在30万人におよぶシリア人国外避難民の数が2012年末までに70万人に達する恐れがあると発表した。

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欧州委員会のクリスタリナ・ゲオルギエヴァ国際協力・人道援助・危機対応担当委員はNGO関係者やシリアへのドナー国の代表との会談で、シリアへの人道回廊の開設を呼びかけた。

またアサド政権と反体制武装勢力の双方に「交戦法と国際法の尊重」を求めた。

AFP, September 27, 2012、Akhbār al-Sharq, September 27, 2012、AKI, September 27, 2012、al-Ḥayāt, September 28, 2012、Kull-nā Shurakāʼ, September 27, 2012、al-Kurdīya News, September 27, 2012、Naharnet.com, September 27, 2012、NNA, September 27, 2012、Reuters, September, 27 2012、SANA, September 27, 2012などをもとに作成。

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