2012年9月22日のシリア情勢

シリア政府の動き

『クッルナー・シュラカー』(9月22日付)は、アサド大統領がアリー・ユーヌス軍事情報局を解任したと報じた(未確認情報)。

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『クッルナー・シュラカー』(9月22日付)は、ハサカ県で教師たちが、座席と教科書の不足を理由に学生に登校しないよう匿名で通知していると報じた。

反体制勢力の動き

自由シリア軍のリヤード・アスアド大佐はインターネットを通じてビデオ声明を出し、「司令部がシリア領内の解放区に入り、近くダマスカス解放計画を開始する」と宣言した。

Youtube, September 22, 2012

Youtube, September 22, 2012

声明では「我々の目的はすべてのシリア国民が(体制に)代わる存在となることであり、我々はその一部でしかない」と付言、政権奪取の意思がないことを明らかにした。

アスアド大佐、およびムスタファー・シャイフ准将らトルコに避難していた上級士官は、国内で武装闘争を行ってきた自由シリア軍国内合同司令部から自由シリア軍を名のらないよう非難を浴びていた。

なおこの声明をめぐるトルコ側の思惑(トルコ領内の反体制勢力を支援しているのか、国外に排除しようとしているのか)は不明。

http://www.youtube.com/watch?v=xYHNiTho0SM&feature=youtu.be

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民主的変革諸勢力国民調整委員会の執行委員会は声明を出し、ダマスカス国際空港からの帰路でのメンバー3人の誘拐に関して、「空軍情報部にいる」と発表、当局に対して3人の身柄解放を求めた。

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地元調整諸委員会はユーチューブやフェイスブックを通じて、「タラアナー・フッリーヤ」(機関誌)を創刊し、国内での配布を開始したと発表した。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、トルコ国境に近いアウラム・クブラー村、カフルジューム村で軍・治安部隊と反体制武装勢力が激しく交戦し、検問所への攻撃によってシリア軍兵士11人が殺害された。また砲撃で女性1人が死亡した、という。

同監視団のアリー・アブドゥッラフマーン代表によると、「この地域には、一部の軍の拠点や行政センター以外には国家は存在していない」という。また軍・治安部隊はイドリブ県から同地域への反体制武装勢力の進入と同勢力による対トルコ国境一帯の制圧を全力で阻止しようとしている、という。

アレッポ市では、同監視団によると、カーティルジー地区、ハナーヌー地区、アルクーブ地区、マルジャ地区が砲撃を受けた。

またバーブ市、ダーラ・イッザ市、ザキーヤ市、ブアイディーン市、ターディフ市、スフール村も砲撃を受け、離反兵2人を含む反体制武装勢力戦闘陰9人が死亡した。

ロイター(9月22日付)は、匿名ジャーナリストからの情報として、アターリブ市で、反体制武装勢力がヘリコプターを撃墜した、と報じた(未確認情報)。

一方、SANA(9月22日付)によると、アレッポ市シャッアール地区、スライマーン・ハラビー地区、ブスターン・バーシャー地区などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の拠点やアジトに対して特殊作戦を実施し、多数の戦闘員を殺傷、武器弾薬を押収した。

またアターリブ市とアウラム・クブラー村を結ぶ街道でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、乗っていた車輌などを破壊した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ブワイダ市・フジャイラ村を結ぶ街道で旅客バスが襲撃され、女性3人を含む7人が死亡した。

またイバーダ市が砲撃を受け、数人が負傷した。

ハラスター市でも、ジュダイダ・アルトゥーズへの軍の砲撃から避難していた兵士1人が死亡したという。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、スィンジャール町、フシャイル市、ラーミー村が砲撃を受けた。

一方、SANA(9月22日付)によると、タフタナーズ市、サルキーン市・ハーリム市間に位置する農園など、アリーハー市・ジスル・シュグール市間の街道などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、東ブワイダ村が砲撃を受け、数人が負傷したほか、ヒムス市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦市、軍の兵士5人が殺害された。

一方、SANA(9月22日付)によると、ハルムーズ村、ガジャル村(ラスタン市郊外)、タッルカラフ市郊外、クサイル市郊外などで軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦し、多数の戦闘員を殺傷した。

またレバノン領内からの潜入を試みる戦闘員を撃退した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、カダム区で7人の市民の遺体が発見された。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ハーッラ市で治安部隊が大規模な逮捕作戦を行い、数十人を逮捕した。

一方、SANA(9月22日付)によると、ダーイル町、サナマイン市、ナイーマ村などで軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃し、多数の戦闘員を殺傷した。

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ラッカ県では、SANA(9月22日付)によると、タッル・アブヤド市、スルーク町、ハマーム・トゥルクマーン村、アイン・アルース村で軍・治安部隊が反体制武装勢力に対して特殊作戦を行い、多数の戦闘員を殺傷した。

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SANA(9月22日付)は、アレッポ県での「最近の事件」に関連して逮捕された逮捕者のうち、殺人を犯していない121人を釈放したと報じた。

また、過去5日間でヒムス市シャンマース地区でも同様に86人、ハマー県でも60人が釈放されたという。

レバノンの動き

ナハールネット(9月22日付)によると、レバノン軍司令部は声明を出し、21日晩に、ベカーア県バアルベック郡アルサール地方に自由シリア軍の部隊が潜入した、と発表した。

声明によると、同部隊は「多数の狙撃手が援護するなか、侵入、軍の陣地複数カ所を攻撃した」という。

諸外国の動き

トルコのNTV(9月22日付)は、ラッカ県タッル・アブヤド市に面する国境地帯にトルコ軍が対空砲、対空ミサイルを配備したと報じた。

ウルファ県へのシリア領からの砲撃で、トルコ人2人が負傷したことを受けたことを受けた動きで、また反体制武装勢力によって占拠された一部国境地点の奪還が目的だという。

AFP, September 22, 2012、Akhbār al-Sharq, September 22, 2012、al-Ḥayāt, September 23, 2012、Kull-nā Shurakāʼ, September 22, 2012、al-Kurdīya News,
September 22, 2012、Naharnet.com, September 22, 2012、Reuters, September
22, 2012、SANA, September 22, 2012などをもとに作成。

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