ロシア軍、シリア軍はヒムス県タドムル市一帯でダーイシュへの攻勢を激化する一方、「穏健な反体制派」はアレッポ県北西部の1カ村を制圧(2016年3月11日)

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍がタドムル市一帯への空爆を継続する一方、シリア軍も同地一帯でダーイシュ(イスラーム国)に対する攻勢を続けた。

同監視団のラーミー・アブドゥッラフマーン代表によると、この攻勢はタドムル市とダイル・ザウル市を結ぶ街道一帯の制圧が目的だという。

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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダーイシュ(イスラーム国)が、農学者で詩人のムハンマド・バシール・アフマド・アーニー氏と息子のイリヤース氏を「背教」罪によって処刑した。

アーニー氏は1月にダイル・ザウル市(シリア政府支配下)を出た直後ティブニー町でダーイシュに拘束されていた。

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ハマー県では、SANA(3月11日付)によると、シリア軍がスーハ村、ウカイリバート町、ジャニー・アルバーウィー村、中カスタル村、ジュッブ・ライヤーン村でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆し、戦闘員20人を殲滅した。

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イドリブ県では、SANA(3月11日付)によると、シリア軍がアブー・ダーリー村一帯でダーイシュ(イスラーム国)の拠点を空爆した。

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アレッポ県では、ARA News(3月11日付)によると、県北西部でシリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、スルターン・ムラード旅団などからなる「穏健な反体制派」がダーイシュ(イスラーム国)と交戦し、ヤニー・ヤバーン村を制圧した。

一方、ARA News(3月12日付)によると、ユーフラテス川西岸のティシュリーン・ダム一帯で西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍がダーイシュ(イスラーム国)と交戦した。

AFP, March 11, 2016、AP, March 11, 2016、ARA News, March 11, 2016、March 12, 2016、Champress, March 11, 2016、al-Hayat, March 12, 2016、Iraqi News, March 11, 2016、Kull-na Shuraka’, March 11, 2016、al-Mada Press, March 11, 2016、Naharnet, March 11, 2016、NNA, March 11, 2016、Reuters, March 11, 2016、SANA, March 11, 2016、UPI, March 11, 2016などをもとに作成。

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