ムアッリム外務在外居住者大臣「我々は大統領の地位について話す誰とも協議はしない」(2016年3月12日)

ワリード・ムアッリム外務在外居住者大臣(兼副首相)は、14日にジュネーブ3会議が再開されるのを先だってダマスカスで記者会見を開き、シリア政府の方針について説明した。

会見のなかでムアッリム外務在外居住者大臣は「(反体制派代表団の)頭のなかにジュネーブで権力が移譲されるとの幻想があれば、協議は失敗するだろう…。我々は大統領の地位について話す誰とも協議はしない…。彼らに忠告したい。もし彼らがそのように考えているのなら、交渉に来るべきではない、と…。こうした幻想はあきらめねばならない」と述べた。

ムアッリム外務在外居住者大臣はまた、シリアの代表団が13日にジュネーブに向かうとしたうえで、反体制派代表団が24時間以内にジュネーブに来なければ、代表団を引き上げると述べた。

一方、ムアッリム外務在外居住者大臣は、スタファン・デミストゥラ・シリア問題担当国連特別代表がジュネーブ3会議で、移行期間(18ヶ月)後の大統領選挙の実施について議論する意向を示したことに反論、「国会選挙はウィーンでの合意文書に明記されている。だが、大統領選挙については、彼であろうと誰であろうと口出しする権利はない…。それはシリア国民だけの権利だ…。我々は今後、あちらこちらの当事者を満足させようとして中立でなくなることを認めない」と強調した。

移行期については「我々が理解する移行期の定義とは、現行憲法から新憲法への移行、現政権から相手方(反体制派)が参加する政府への移行だ」と述べた。

このほか、米・ロシアによる敵対行為停止合意に関して、ムアッリム外務在外居住者大臣は「シリア政府は合意を遵守する」と強調した。

また、アラブ連盟外相会議でヒズブッラーがテロ組織に指定されたことに関して、「馬鹿げている」「恥ずべきこと」と批判した。

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リヤド最高交渉委員会の代表団のアスアド・ズウビー団長とムハンマド・アッルーシュ交渉責任者は13日、そろってジュネーブに到着した。

ジュネーブ入りしたアッルーシュ氏は「アサドが政権内にいない移行期統治機関を樹立するために来た」と述べた。

AFP, March 12, 2016、AP, March 12, 2016、ARA News, March 12, 2016、Champress, March 12, 2016、al-Hayat, March 13, 2016、Iraqi News, March 12, 2016、Kull-na Shuraka’, March 12, 2016、al-Mada Press, March 12, 2016、Naharnet, March 12, 2016、NNA, March 12, 2016、Reuters, March 12, 2016、SANA, March 12, 2016、UPI, March 12, 2016などをもとに作成。

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