イドリブ県での戦闘を受け、同県およびダマスカス郊外県の包囲下の都市への人道支援物資搬入作業が中断(2016年3月14日)

AFP(3月15日付)は、赤十字国際委員会のパウエル・クリジシエク(Pawel Krzysiek)報道官の話として、ダマスカス郊外県のマダーヤー町、ザバダーニー市、イドリブ県フーア市、カファルヤー町で予定されていた人道支援物資搬入作業が現地での戦闘、とりわけヒムス県カルアト・マディーク町でのシリア軍と反体制武装集団の戦闘によって延期となったと伝えた。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が、ハッダーダ村・ジュッブ・アフマル村・カッバーナ村回廊など県北西部一帯で、第1沿岸師団、シャーム自由人イスラーム運動、アンサール・シャーム、第2沿岸師団、トルキスターン・イスラーム党、シャームの民のヌスラ戦線などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がマルジュ・スルターン村一帯でシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍などからなるジハード主義武装集団と交戦した。

シリア軍はまた、アイン・マニーン村内で強制捜査を実施した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市アシュラフィーヤ地区、サカン・シャバービー地区で西クルディスタン移行期民政局人民防衛隊とジハード主義武装集団が交戦し、後者の戦闘員1人が死亡した。

ジハード主義武装集団はまた、県北西部のタッル・リフアト市、アイン・ダクナ村のシリア民主軍拠点を砲撃した。

一方、ARA News(3月14日付)によると、シリア・ムスリム同胞団系のシャーム軍団、アル=カーイダ系のシャーム自由人イスラーム運動、「穏健な反体制派」と目されるヌールッディーン・ザンキー運動がヌブル市近郊のバーシャムラ村(西クルディスタン移行期民政局(ロジャヴァ)人民防衛隊(YPG)主体のシリア民主軍制圧下)を砲撃した。

また、アレッポ市ラーシディーン地区一帯、ハイヤーン町一帯では、シリア軍は外国人戦闘員(イラク人、アフガン人民兵)らとともにアレッポ・ファトフ軍作戦司令室、「命じられるがまま進め」連合などからなる反体制武装集団と交戦した。

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ハマー県では、ARA News(3月14日付)によると、シリア軍は外国人戦闘員(イラク人、アフガン人民兵)とともに、反体制武装集団に占拠されていた県北部のカフルヌブーダ穀物サイロ一帯、サフル村、カフルヌブーダ町周辺の検問所を奪還した。

一方、SANA(3月14日付)によると、イーマーン旅団を名乗る武装集団が、ウンム・ハーラタイン村・ザアタル丘・マアーン村回廊一帯で停戦に違反し、シリア軍拠点に対して攻撃を行った。

シリア軍はこれに応戦し、戦闘員6人を殲滅した。

AFP, March 14, 2016、AP, March 14, 2016、ARA News, March 14, 2016、Champress, March 14, 2016、al-Hayat, March 15, 2016、Iraqi News, March 14, 2016、Kull-na Shuraka’, March 14, 2016、al-Mada Press, March 14, 2016、Naharnet, March 14, 2016、NNA, March 14, 2016、Reuters, March 14, 2016、SANA, March 14, 2016、UPI, March 14, 2016などをもとに作成。

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