ダマスカス郊外県、アレッポ市一帯でシリア軍と、「穏健な反体制派」とアル=カーイダ系を含むイスラーム過激派の連合体との戦闘が激化、多くの住民が巻き添えとなり死傷(2016年4月23日)

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、東グータ地方における反体制武装集団の拠点であるドゥーマー市をシリア軍が砲撃し、子供2人を含む13人が死亡、22人が負傷した。

シリア軍と反体制武装集団は東グータ地方各所で交戦し、ジハード主義武装集団戦闘員1人が死亡したという。

一方、反体制武装集団もハラスター市近郊のダーヒヤト・アサド町を砲撃し、砲弾複数発が着弾した。

他方、SANA(4月23日付)によると、反体制武装集団がワーフィディーン・ゴラン高原難民キャンプを砲撃し、子供1人が死亡、女性1人が負傷した。

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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、アッシュ・ウルール地区に迫撃砲弾2発が着弾した。

一方、SANA(4月23日付)によると、反体制武装集団がサーリヒーヤ区、アダウィー地区を砲撃し、迫撃砲弾複数発が着弾した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がハイヤーン町、アターリブ市、カフルナーハー村を空爆し、女性2人が死亡、20人近くが負傷した。

またシリア政府支配下のアレッポ市ハーリディーヤ地区、ナイル通り地区などに、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾多数が着弾した。

ARA New(4月23日付)によると、シリア政府支配地域を砲撃したのはシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動、アジュナード・シャーム・イスラーム連合などからなる反体制武装集団。

さらに、ARA News(4月23日付)によると、シリア軍はまたアレッポ市バーブ街道地区に対して空爆を実施したという。

一方、ARA New(4月23日付)によると、シリア軍がアレッポ市南部郊外のアイス村一帯で、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなる反体制武装集団と交戦した。

他方、SANA(4月23日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団がアレッポ市内ナイル通り地区、ムーカンムブー地区、イザーア地区、アシュラフィーヤ地区、ハーリディーヤ地区、ハムダーニーヤ地区、マシャーリカ地区、ザフラー地区、サビール地区、ダーヒヤト・アサド地区(いずれもシリア政府支配地域)を砲撃し、4人が死亡、56人が負傷した。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、タルビーサ市一帯でシリア軍と反体制武装集団が交戦し、後者の戦闘員2人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がウカイリバート町、サルマーニーヤ村一帯、カルクール村一帯を空爆した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、航空機(所属明示せず、クッルナー・シュラカー(4月23日付)によるとロシア軍)が、ファトフ軍に所属するジハード主義武装集団の包囲を受けるフーア市、カファルヤー町に支援物資をパラシュートで投下した。

一方、クッルナー・シュラカー(4月23日付)によると、ビンニシュ市でシャーム自由人イスラーム運動の本部近くで何者かが自爆し、幹部の一人イスラーム・アブー・フサイン氏を含むメンバー4人が死亡した。

Kull-na Shuraka', April 23, 2016

Kull-na Shuraka’, April 23, 2016

 

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、4月22日に9件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は422件。

AFP, April 23, 2016、AP, April 23, 2016、ARA News, April 23, 2016、Champress, April 23, 2016、al-Hayat, April 24, 2016、Iraqi News, April 23, 2016、Kull-na Shuraka’, April 23, 2016、al-Mada Press, April 23, 2016、Naharnet, April 23, 2016、NNA, April 23, 2016、Reuters, April 23, 2016、SANA, April 23, 2016、UPI, April 23, 2016などをもとに作成。

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