イドリブ県ビンシュ市での爆撃でシャーム自由人イスラーム運動の司令官を含む「民間人」10人が死亡(2016年5月10日)

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がビンニシュ市、ナイラブ村各所を空爆し、シャーム自由人イスラーム運動の司令官を含む10人が死亡、数十人が負傷した。

これに関して、ARA News(5月10日付)は、地元の活動家の一人の話として、シリア軍の空爆は市内のシャーム自由人イスラーム運動の拠点の一つを標的とし、これにより司令官1人が死亡、多数のメンバーが死傷したと伝えた。

しかし、クッルナー・シュラカー(5月10日付)は、シリア軍がビンニシュ市を空爆し、民間人10人が死亡、25人が負傷した、と伝えた。

シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)はまた、アリーハー市一帯、マストゥーマ軍事基地一帯、カフルシャラーヤー村、アウラム・ジャウズ村一帯を空爆した。

シリア軍ヘリコプターはまた、ジスル・シュグール市一帯にビラを散布し、武装集団戦闘員に投降を呼びかけた。

一方、SANA(5月10日付)によると、シャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍がマアッラトミスリーン市、ビンニシュ市からフーア市、カファルヤー町を砲撃し、住民5人が負傷した。

**

ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がダイル・アサーフィール市一帯を8回、またドゥーマー市各所を3回にわたり空爆した。

また、クッルナー・シュラカー(5月10日付)によると、シリア軍とヒズブッラー戦闘員はザバダーニー市一帯を激しく砲撃したという。

**

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市郊外のアナダーン市に近いタームーラ村でシリア軍、国防隊、外国人戦闘員がシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍と交戦した。

シリア軍はまた、アンジャーラ村各所を地対地ミサイルと思われる砲弾で攻撃した。

一方、SANA(5月10日付)によると、反体制武装集団が、シリア軍による「講和規定」適用を無視してアレッポ市ラームーサ交差点一帯、スライマーン・ハラビー地区を砲撃・狙撃し、住民1人が死亡した。

**

ハマー県では、シリア人権監視団によると、ジハード主義武装集団がズラーキーヤート村のシリア軍拠点を砲撃した。

これに対してシリア軍は、サルマーニーヤ村一帯を砲撃した。

**

ダルアー県では、SANA(5月10日付)によると、シリア軍がダルアー市旧税関地区、ナスィーブ村間の街道、ヤードゥーダ村でシャームの民のヌスラ戦線を攻撃した。

一方、クッルナー・シュラカー(5月11日付)によると、ウマリー旅団連合、部族軍、部族師団が、シリア軍とダーイシュ(イスラーム国)に対抗するためのラジャー統合作戦司令室を設置した。

**

ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、5月9日に2件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はアレッポ県とラタキア県で発生し、シャーム自由人イスラーム運動、イスラーム軍が砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は508件。


AFP, May 10, 2016、AP, May 10, 2016、ARA News, May 10, 2016、Champress, May 10, 2016、al-Hayat, May 11, 2016、Iraqi News, May 10, 2016、Kull-na Shuraka’, May 10, 2016、May 11, 2016、al-Mada Press, May 10, 2016、Naharnet, May 10, 2016、NNA, May 10, 2016、Reuters, May 10, 2016、SANA, May 10, 2016、UPI, May 10, 2016などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.