2012年8月12日のシリア情勢

シリア政府の動き

『クッルナー・シュラカー』(8月12日付)は、リヤード・ファリード・ヒジャーブ前首相の離反を調査するために設置された治安委員会が、各閣僚を25人の治安機関および共和国護衛隊の要員で監視することを提言した、と報じた。

国内の暴力

アレッポ県では、シリア人権監視団によると、アレッポ市のバーブ街道地区、サーフール地区、マサーキン・ハナーヌー地区、ブスターン・カスル地区などに軍・治安部隊が砲撃を加え、反体制武装勢力掃討作戦を継続した。

また同監視団によると、フライターン市が軍・治安部隊の砲撃に曝されたほか、サフィーラで軍の大佐が反体制武装勢力によって殺害された。

一方、SANA(8月12日付)によると、アレッポ市内バーブ・アンターキヤー、ダウワール・アグユール、ジャムイーヤ・ザフラー地区、ダマスカス街道、郊外のサフィール地方などで軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追跡、多数の戦闘員を殺傷した。

『ワタン』(8月12日付)は、アレッポ市内の反体制武装勢力がスッカリー地区をサラーフッディーン地区喪失後の新たな拠点にしようとしている、と報じた。

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ヒムス県では、SANA(8月12日付)によると、ヒムス市内で軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジト2カ所を破壊した。

またシャンマース地区で反体制武装勢力を追跡し、戦闘員多数を殺傷した。これに対して反体制武装勢力は同地区内で旅客マイクロバスを襲撃し、子供2人を含む3人を殺害した、という。

このほかクサイル地方でも軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

一方、シリア国民評議会は声明を出し、ヒムス市のシャンマース地区で軍・治安部隊が若者10人を処刑したと断じた。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ハーン・シャイフ・キャンプで軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、女性1人が死亡した。

一方、SANA(8月12日付)によると、ハーン・シャイフで軍・治安部隊が反体制武装勢力のアジトに突入し、多数の戦闘員を逮捕した。

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ダマスカス県では、SANA(8月12日付)によると、軍・治安部隊がシャームの民にヌスラ戦線の指導的活動家ワーイル・ムハンマド・マジュダラーニーを殺害した。

また旧市街で治安当局が多数の戦闘員を逮捕、大量の武器弾薬を押収した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヒルバト・ガザーラ町近くで軍・治安部隊が攻撃を受け、兵士6人が殺害された。

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イドリブ県では、SANA(8月12日付)によると、アリーハー市で軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」の追跡を継続した。

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ハマー県では、SANA(8月12日付)によると、 タクスィース村で軍・治安部隊が反体制武装勢力と交戦した。

反体制勢力の動き

『ハヤート』(8月13日付)は、反体制筋の話として、ヒムス県のイブラーヒーム・ジャバーウィー警察副所長が離反し、ヨルダンに逃走した、と報じた。

クルド民族主義勢力の動き

武装したクルド人反体制活動家がカーミシュリー市でアーザーディー大隊を名のる武装集団を結成するビデオがユーチューブ(8月12日付)にアップされた。

クルディーヤ・ニュース(8月13日付)によると、同組織は無所属のクルド人青年からなり、自由シリア軍の傘下にはないが、連携をめざしている、という。

またPKK系の民主連合党の民兵などとの衝突を回避しようとしている、という。

諸外国の動き

サウジアラビアのジェッダで開催が予定されていたアラブ連盟外相会合が延期された。

会合ではアナン特使退任後のシリアにおける「政治プロセス」が審議される予定だった。

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AFP(8月12日付)はフランスの医療チームがヨルダンのザアタリー・シリア人避難民キャンプに到着したと報じた。

AFP, August 12, 2012、Akhbār al-Sharq, August 12, 2012、al-Ḥayāt, August 13, 2012、Kull-nā Shurakāʼ, August 12, 2012、al-Kurdīya News, August
13、Naharnet.com, August 12, 2012、Reuters, August 12, 2012、SANA, August
12, 2012、al-Waṭan, August 12, 2012、Youtube, August 12, 2012などをもとに作成。

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