ロシアのラヴロフ外務大臣がトルコのチャヴシュオール外務大臣と会談し、ヌスラ戦線との連携を強めるシャーム自由人イスラーム運動とイスラーム軍を国際テロ組織に指定することを提案(2016年7月1日)

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は黒海経済協力機構(BSEC)に参加するためにソチを訪問中のトルコのメヴリュト・チャヴシュオール外務大臣と約40分にわたり会談し、シリア情勢への対応、両国間の緊張緩和などについて意見を交わし、シリアのテロリストを峻別することで合意した。

ラブロフ外務大臣は会談後の記者会見で、「モスクワとアンカラはシリアのテロリストを峻別することで合意している」としたうえで、「テロとの戦い」分野での二国間の協力を再開すると述べた。

ラブロフ外務大臣は「この会談で(両国の)関係は正常化する…。空爆で苦しむのは嫌だという者は、テロリストが占拠する地域から撤退しなければならない…。トルコはこのロジックに同意していると明言した…。我々の間にはテロ組織とそれ以外の組織を峻別することに関して意見の総意はない…。ロシアとトルコはともに、今もテロリストの支配地域に集結している建設的で愛国的な反体制派がこの地域から撤退することに関心があり、さもなくば、我々は彼らがシャームの民のヌスラ戦線やダーイシュ(イスラーム国)とつながりがあるとみなすことになる」と述べた。

ラブロフ外務大臣はそのうえで、トルコがサウジアラビアやカタールとともに支援しているイスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動を国際テロ組織に指定することを提案したと述べた。

また2015年11月のトルコ軍戦闘機によるシリア・トルコ国境地帯でのロシア軍戦闘機撃墜事件発生以降中断していた両国の対テロ作業チームの会合を再開することをチャヴシュオール外務大臣と合意したことを明らかにした。

一方、チャヴシュオール外務大臣は、シリア情勢に関して「余談を許さない」としたうえで、主要当時国が、政治的な手段を通じて聞き解決に向けた行動し、戦闘停止に向けた安定的制度を保障すべきだと述べた。

また、9月を目処にレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がヴラジミール・プーチン大統領と直接会談する準備があることを明らかにした。

『ハヤート』(7月2日付)などが伝えた。

AFP, July 1, 2016、AP, July 1, 2016、ARA News, July 1, 2016、Champress, July 1, 2016、al-Hayat, July 2, 2016、Iraqi News, July 1, 2016、Kull-na Shuraka’, July 1, 2016、al-Mada Press, July 1, 2016、Naharnet, July 1, 2016、NNA, July 1, 2016、Reuters, July 1, 2016、SANA, July 1, 2016、UPI, July 1, 2016などをもとに作成。

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