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国内の暴力(アレッポ県)
シリア人権監視団によると、アレッポ市郊外のマンナグ航空基地を反体制武装勢力が砲撃、制圧を試みた。
同監視団によると、砲撃には軍・治安部隊から奪った戦車が使用された、という。
アブー・アリーを名のる反体制武装勢力戦闘員はロイター通信(8月2日付)に対して、「我々は空港を…戦車で砲撃した。数回攻撃したが、今回は退却を決断した」と述べた。
監視団によると、反体制武装勢力の攻撃に対して、航空基地に駐留していた軍部隊はアレッポ市と飛行場の間に位置するタッル・リフアト市に砲撃を加え、対抗した。
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シリア人権監視団によると、イッビーン村での砲撃で、女性3人と子供2人が死亡した。
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SANA(8月2日付)によると、カナーティル村近郊およびハージブ町で軍・治安部隊が反体制武装勢力を追撃、複数の戦闘員を殺傷した。
殺害した戦闘員のなかには外国人が多数含まれていた、という。
またサフィーラ市では、反体制武装勢力が占拠した学校で製造していた爆弾が爆発し、戦闘員多数が死亡した、という。
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シリア革命総合委員会によると、アレッポ市のサラーフッディーン地区、サーフール地区に対して、軍・治安部隊が激しい砲撃を加えた。
またシリア人権監視団によると、マイサル地区では軍のヘリコプターによる砲撃があり、ザバディーヤ地区では軍・治安部隊が反体制武装勢力と激しく交戦した。
なお同監視団によると、市内は電話やインターネットが不通となっている、という。
国内の暴力(そのほか)
ダルアー県では、『ハヤート』(8月3日付)が複数の消息筋の話として、国境地帯でシリア、ヨルダン両軍が交戦した、と報じた。
交戦は、ダルアー県タッル・シハーブ地方とヨルダンのイルビド県ラムサー市郊外のタッラ村間で、ヨルダン兵士1人とシリア人避難民2人が負傷した、という。
この交戦に関して、自由シリア軍は『ハヤート』(8月3日付)に、ヨルダン軍がシリアの軍・治安部隊の拠点を攻撃し、シリア軍兵士が多数負傷した」と証言した。
しかし、ヨルダンのサミーフ・マアーイタ内閣報道官は、「ヨルダンの部隊が行ったのは交戦ではなく、標的となっていた避難民を保護することだった」と自由シリア軍の主張を否定した。
このほか、シリア人権監視団によると、ダルアー市で軍・治安部隊と反体制武装勢力が交戦し、3人が死亡、数十人が負傷した。
一方、SANA(8月1日付)によると、軍・治安部隊が反体制武装勢力とダルアー市ダルアー・バラド地区で交戦し、戦闘員多数を殺傷した。
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ダマスカス県では、シリア人権監視団によると、大統領公邸があるムハージリーン区で、治安部隊が「初の」大規模な摘発を行い、反体制活動家約20人が逮捕された。
またタダームン区、ダッフ・シューフ地区で軍・治安部隊と反体制武装勢力の交戦があった。
一方、SANA(8月2日付)によると、タダームン区、ダッフ・シューク地区で、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追撃し、多数の戦闘員を逮捕、武器弾薬、爆発物を押収した。
またシリア・アラブ・テレビ(8月2日付)は、在シリア・イラン大使館のアリー・ホセイン・ザーダ軍事顧問が7月31日にカフル・スーサ区で暗殺されたと報じた。
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ダマスカス郊外県では、SANA(8月2日付)によると、ハラスター市郊外の農場で軍・治安部隊が反体制武装勢力を要撃し、多数の戦闘員を殺害した。
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ヒムス県では、SANA(8月2日付)によると、クサイル市で軍・治安部隊が反体制武装勢力を要撃し、多数の戦闘員を殺害した。
またヒムス・タルトゥース街道では、武器弾薬を密輸送していた車2台を軍・治安部隊が取り押さえた。
タルビーサ市では、軍・治安部隊が反体制武装勢力の「残党」を追撃し、多数の戦闘員を殺害した。
シリア政府の動き
シリアの外務在外居住者省は国連の潘基文事務総長と安保理議長宛に書簡を提出し、一部の国がシリア領内でのテロ活動を支援しているのは安保理の諸決議に違反すると抗議、安保理に対してこれらの国に圧力をかけるよう求めた。
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シリアの外務在外居住者省は、アナン特使の辞意表明に関して声明を出し、「遺憾の意」を示すとともに、UNSMISに引き続き協力すると表明した。
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インテルファクス(8月2日付)などによると、ジャミール・カドリー経済問題担当副首相兼国内通商消費者保護大臣がロシアを訪問し、ロシアの副首相らと会談した。
訪問には、ムハンマド・ジュライラーティー財務大臣、サイード・ムウズィー・フナイディー石油鉱物資源大臣、マフムード・イブラーヒーム・サイード運輸大臣、アディーブ・マイヤーラ・シリア中央銀行総裁も同行し、シリア・ロシア間の流通、農業、石油・ガス、衛生、教育などの分野での協力深化について協議した。
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『クッルナー・シュラカー』(8月2日付)は、と政治治安部の元高官が、キリスト教徒地区への武器配給に協力したキリスト教徒の氏名を暴露したと報じた。
しかしギリシャ正教会は先週声明を出し、武器供与疑惑を強く否定している。
反体制勢力の動き
自由シリア軍国内合同司令部は、アレッポ市での政府協力者の処刑に関して声明を出し、「無責任な行為」と強く非難し、「現地で活動するすべての革命勢力および大隊にこうした行為を非難し、拒否する」よう呼びかけた。
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シリア革命評議会のハイサム・マーリフ暫定政府首班は『ハヤート』(8月3日付)に対して、評議会結成と暫定政府首班指名に対する反体制勢力の批判を「反体制勢力の病気の一部」と評した。
マーリフ暫定政府首班によると、評議会結成にあたっては、シリア・ムスリム同胞団のムハンマド・リヤード・シャカファ最高監督者、リヤード・サイフ元人民議会議員などと連絡をとり、協議済みだったという。
発足した評議会は、45人から構成され、そのほとんどが国内の活動家で、自由シリア軍の士官(アブー・ハーリド大佐)も含まれている、という。
またこの45人が事務局と、自身を含む6人からなる首班府(首班、副首班、および3人)を選出した、という。
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地元調整諸委員会は声明を出し、暫定政府に関して、「避けられない運命に向かって進む体制の支配からさらなる地域を解放するために自らを向かわせる愛国的暫定政府が必要」との立場を示し、在外の反体制勢力(ハイサム・マーリフ氏の暫定政府首班就任宣言)の動きを暗に批判した。
また暫定政府が「解放された地域の生活を調整し、国民レベルでの革命勢力の活動調整、世界の各国政府へのメッセージ発信」のために必要だと述べた。
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シリア民主世俗主義諸勢力連立は声明を出し、事務局の定員を拡大(25人)するとともに、技術局、地理局を新設したと発表した。
なお声明によると、シリア民主世俗主義諸勢力連立の構成組織は以下の通り:
1. フィラース・カッサース(シリア近代民主主義党)
2. ハーシム・スルターン(インフィターフ党)
3. アフマド・ジャッブーリー(国民民主合意党)
4. ジョルジュ・シャーシャーン(アッシリア民主機構)
5. ジャーン・アンタル(シリア正教運動)
6. アブドゥルカリーム・アーガー(シリア・トルクマーン民主運動)
7. アブドゥルアズィーズ・ターラーニー(クルディスタン・イェキーティー党)
8. マフムード・ファイサル(アラブ民族主義者潮流)
9. マフムード・ムスラト(国民民主ナフダ党)
10. ハージー・スライマーン(サワー運動)
11. ハッサーン・ジャマーリー(シリア国家建設潮流)
12. ジャンキーズ・ハッスー(無所属連合)
13. ムハンマド・ハニーフ・ムハンマド(シリア自由民主党)
14. アイハム・ドゥユーブ(啓蒙運動)
15. ジーファール・ナビー(友愛調整)
16. ムアイイド・アスキーフ(新シリア運動)
17. そのほか愛国的無所属活動家多数
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シリア人権監視団は、ダイル・ザウル市での戦闘に関して、7月だけで300人以上が殺害され、住民の70%以上(50万人)が県外に避難、同市での被害額は110億シリア・ポンド(1億5500万ドル)にのぼると発表した。
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アブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領は、軍創設記念日に合わせて声明を出し、「腐敗した専制が闘う国民に勝利した歴史はない」としたうえで、軍の将兵に離反して国民とともに戦うよう呼びかけた。
AKI(8月2日付)が報じた。
イラクの動き
イラク・クルディスタン地域を訪問中のトルコのアフメト・ダウトール外務大臣は、エルビルで同地域のマスウード・バールザーニー大統領と会談し、「アサド体制後のシリアの将来」について協議した。
会談後の共同声明では、シリア情勢を「危険で悲惨」と評したうえで、「宗派・エスニック紛争を断続的にエスカレートさせる政府の行為と政策」への非難の意が表明された。
また「シリアでの平和的政治的転換」の必要を強調、「シリアの未来はシリア国民の自由意思によって決せられない」とする一方、「あらゆる集団・組織が権力の真空を利用するあらゆる試み」を脅威とみなし、「共同して対処すべき」との立場を明示し、「新生シリアに過激なテロ集団や組織があってはならない」と主張した。
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エルビルでの会談を終えたダウトオール外務大臣はペシュメルガによって護衛され、キルクーク市を電撃訪問した。
同市での記者会見で、ダウトオール外務大臣は、自らの訪問を「歴史的」と自賛する一方、キルクーク市が「イラク統合の脊髄であり、同国のすべての集団の共存の象徴」だと述べた。
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ダウトオール外務大臣のキルクーク市訪問を受け、イラクのアリー・ムーサウィー首相付広報顧問は、「イラクの主権への侵害…、一国の外務大臣にふさわしくない潜入」と厳しく非難し、訪問が「キルクークに否定的な影響をもたらす」だろうと述べた。
ムーサウィー顧問は「何らの正当性もない奇妙な振る舞いだ…。我々はトルコと外交関係を結んでおり、大使を交換しているのに、なぜ主権を侵害するのか?」と述べた。
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またイラクのホシュヤール・ゼバリ外務大臣も「トルコのような重要な隣国の外務大臣にふさわしくない振る舞い」と述べ、「イラク内政へのあからさまな干渉」と非難した。
レバノンの動き
モーラ・コネリー駐レバノン米大使は、自由国民潮流代表のミシェル・アウン元国軍司令官と会談し、内務省総合治安局によるシリア人14人のシリアへの身柄引き渡しに「深く動揺している」との不満を表明した。
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進歩社会主義党のワリード・ジュンブラート党首は声明を出し、内務省総合治安局によるシリア人14人のシリアへの身柄引き渡しに関して、アッバース・イブラーヒーム局長の決定を批判、「平時においても司法の独立という概念を欠くシリアで…有罪を宣告されるまでもなく粛清される」と述べた。
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ナジーブ・ミーカーティー内閣は、シリア人避難民のニーズに応えるためUNHCRへの融資を承認した。
国際社会の動き
コフィ・アナン・シリア危機担当国連・アラブ連盟合同特使はジュネーブで記者会見を開き、任期が終了する2012年8月31日をもって特使を辞任すると発表した。
アナン特使は自身の「ミッションが必要とする支援を受けることできなかった…。国際社会にさまざまな対立があり、それらが私の任務を複雑なものとしてしまった」と辞任の理由を明らかにした。
またアナン特使は、流血が続く現状の「一部はシリア政府の非協力と6項目停戦案の実施拒否にあり、また一部は反体制派の軍事活動の増加による」と批判した。
さらにアナン特使は、「国際社会の一致団結した真摯な圧力なくして、私、そして私以外のいかなる人物も、まずシリア政府に、次に反体制勢力に政治プロセスを開始するのに必要な措置を講じることを強いることはできないだろう」と述べた。
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潘基文国連事務総長はアナン特使の辞意表明に関して、停戦イニシアチブへの「勇敢な努力への深い感謝の意」を示しつつ「深い遺憾の意」を示した。
潘事務総長は、「(国連は)外交努力を通じて暴力停止をめざす」との意思を示しつつ、「安保理内で続く分裂が外交を妨げ、いかなる行動・仲介もより困難なものとなっている」との懸念を表明した。
また「(シリア)政府と反体制勢力は依然として暴力をエスカレートしようとしているようだ」と批判した。
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国連安保理では、UNSMISの今後の処遇を協議するための非公式会合を行われた。
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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が英国を訪問、デヴィッド・キャメロン首相と会談した。
シリア問題をめぐって、プーチン大統領は「実行可能な解決策」を案出することで合意したと述べた。
一方、キャメロン首相は、「我々の間に依然としていくつかの意見の相違がある」としたうえで、紛争を終わらせるための「行程を前進させるために外相どうしが話し合うだろう」と述べた。
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アルジェリアの複数の公式筋が明らかにしたところによると、西部の港町スィーディー・ファラジュ市に在留シリア人(避難民)を受け入れるためのセンターが開設された。
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FAOは報告書を発表し、食糧および農産物の支援を必要とするシリア人の数が300万人に達するだろうと推計した。
またシリア国内の危機により、2011年にシリアの農業部門は18億ドル相当の損害を被ったと発表した。
AFP, August 2, 2012、Akhbar al-Sharq, August 2, 2012、AKI, August 2, 2012、al-Hayat, August 3, 2012、Kull-na Shurakaʼ, August 2, 2012、Naharnet.com, August 2, 2012、Reuters, August 2, 2012、SANA, August 2, 2012などをもとに作成。
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