イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(ロシア軍、シリア軍かは不明)がタルマーニーン村を空爆し、住民14人が死亡した。
また戦闘機はザーウィヤ山地方のイフスィム町を空爆し、3人が死亡した。
これに関して、カタールの衛星テレビ局ジャズィーラ・チャンネル(7月11日付)は、アル=カーイダ系組織のシャームの民のヌスラ戦線、シャーム自由人イスラーム運動などからなるファトフ軍の支配下にあるイドリブ県で取材活動を行っていたイブラーヒーム・ウマル記者が、タルマーニーン村に対するロシア軍の空爆で死亡したと伝えた。
ウマル記者はジャズィーラ・チャンネルの取材に協力するフリーランスの記者。
ジャズィーラ・チャンネルがタルマーニーン村への空爆がロシア軍によるものだと特定し得た理由については不明。
一方、ドゥラル・シャーミーヤ(7月11日付)によると、ビンニシュ市一帯で活動するシャーム自由人イスラーム運動所属のアフマド・アッサーフ大隊が、シャームの民のヌスラ戦線の車輌に爆弾を仕掛けようとしていたダーイシュ(イスラーム国)のメンバー2人を拘束した。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市一帯でシリア軍が反体制武装集団と交戦した。
また戦闘機(所属明示せず)がマイダアー町一帯、フーシュ・ナスリー村、マイダアーニー村などを空爆、マイダアーニー村一帯ではシリア軍と反体制武装集団が交戦した。
一方、SANA(7月11日付)によると、シリア軍が人民防衛諸集団とともにマイダアー町内の軍事拠点や住宅街を襲撃したイスラーム旅団などの反体制武装集団を撃退、同町を完全制圧し、治安を回復した。
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ハマー県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がカンタラ村一帯でシャームの民のヌスラ戦線などからなる反体制武装集団と交戦した。
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ダルアー県では、SANA(7月11日付)によると、シリア軍がシャイフ・フサイン丘および同地周辺の丘陵地帯、ダルアー市旧税関地区西部一帯などでシャームの民のヌスラ戦線と交戦した。
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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、7月10日に4件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。
停戦違反はダマスカス郊外県で発生し、イスラーム軍などが砲撃を行ったという。
米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は768件。
AFP, July 11, 2016、AP, July 11, 2016、ARA News, July 11, 2016、Champress, July 11, 2016、al-Durar al-Shamiya, July 11, 2016、al-Hayat, July 12, 2016、Iraqi News, July 11, 2016、Kull-na Shuraka’, July 11, 2016、al-Mada Press, July 11, 2016、Naharnet, July 11, 2016、NNA, July 11, 2016、Reuters, July 11, 2016、SANA, July 11, 2016、UPI, July 11, 2016などをもとに作成。
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