ロシア軍がファトフ軍の支配下にあるアレッポ市南部一帯、イドリブ市を激しく爆撃(2016年8月17日)

アレッポ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(8月18日付)、シリア人権監視団によると、シリア軍、ヒズブッラー戦闘員らがアレッポ市南西部の士官学校航空技術科一帯、第1070集合住宅計画地区、スーク・ジャバス地区に進軍を試み、反体制武装集団(ファトフ軍)が応戦した。

また同地での戦闘と並行して、ロシア軍戦闘機がアレッポ市南西部のラームーサ地区を空爆した。

これに対し、シリア人権監視団によると、反体制武装集団はアレッポ市サラーフッディーン地区を砲撃し、女性2人と子供3人を含む10人が死亡した。

一方、SANA(8月17日付)によると、シリア軍航空部隊および砲兵部隊がアレッポ市郊外のマアッラーター村一帯、ダフラト・シャルファ村、ダーラト・イッザ市、マンスーラ村、士官学校一帯、カフルナーハー村、アターリブ市アレッポ市南部および西部でファトフ軍の拠点に対して集中的な空爆・砲撃を実施した。

シリア軍部隊はまた、アレッポ市シャッアール地区、アンサーリー地区、カーディー・アスカル地区、カスタル・ハラーミー地区で反体制武装集団の拠点を攻撃、これを破壊した。

これに対して、反体制武装集団は、アレッポ市サラーフッディーン地区、マシャーリカ地区を砲撃し、子供1人と女性3人を含む10人が死亡、18人が負傷した。

SANA, August 17, 2016

SANA, August 17, 2016

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、戦闘機(所属明示せず)がファトフ軍の支配下にあるイドリブ市各所を空爆し、数十人が死傷した。

戦闘機はまた、サラーキブ市に対しても空爆を行った。

なお、クッルナー・シュラカー(8月17日付)によると、イドリブ市での空爆では、女性と子供を含む23人が死亡した。

また、ARA News(8月18日付)によると、シリア・ロシア両軍の戦闘機がハーン・シャイフーン市を空爆し、数十人が死傷した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍がウンム・ハーラタイン村、アトシャーン村を砲撃した。

この攻撃に先立ち、スカイラビーヤ市近郊のハンダク村で指名手配者を追跡していた軍事情報局の隊員5人が兵役忌避罪で逃走中のグループによって殺害された。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が撃った地対地ミサイルと思われる砲弾や「樽爆弾」がダーライヤー市各所に着弾した。

またアルバイン市では戦闘機(所属明示せず)の空爆で子供2人を含む5人が死亡した。

一方、ARA News(8月17日付)によると、シャーム軍団は東グータ地方に設置されたすべての検問所を廃止すると発表した。

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ダマスカス県では、SANA(8月17日付)によると、イスラーム軍がアダウィー地区を砲撃し、迫撃砲弾2発が着弾した。

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ヒムス県では、SANA(8月17日付)によると、タルビーサ市、ラスタン市、ハスヤー町、ヒムス市の住民140人が武器を棄て、当局に投降、2016年政令第15号に従い免罪となった。

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ロシア国防省は、ラタキア県フマイミーム航空基地のシリア駐留ロシア軍司令部に設置された当事者和解調整センターが、8月15日に6件の停戦違反が発生したことを確認したと発表した。

停戦違反はダマスカス郊外県、ラタキア県で発生し、イスラーム軍、シャーム自由人イスラーム運動などが砲撃を行ったという。

米・ロシアによる敵対行為停止合意が発効した2月27日以降の停戦違反件総数は1009件。

AFP, August 17, 2016、AP, August 17, 2016、ARA News, August 17, 2016、August 18, 2016、Champress, August 17, 2016、al-Durar al-Shamiya, August 17, 2016、al-Hayat, August 18, 2016、Iraqi News, August 17, 2016、Kull-na Shuraka’, August 17, 2016、al-Mada Press, August 17, 2016、Naharnet, August 17, 2016、NNA, August 17, 2016、Reuters, August 17, 2016、SANA, August 17, 2016、UPI, August 17, 2016などをもとに作成。

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