『ガーディアン』(8月30日付)は、欧米諸国、湾岸アラブ諸国、トルコによる対シリア経済制裁を科すなか、国連関係機関がアサド政権幹部に近い組織や個人との間でこれまでに総額で数千万米ドル以上の人道食糧関連支援に関する契約を結んでいると伝えた。
契約内容は、農業開発関連の支援(1,300万ドル以上)、国防省所轄のシリア国民血液バンクへの支援(500万ドル以上を世界保健機関が拠出)、アスマー・アフラス大統領夫人が名誉会長を務めるシリア国民信託(850万ドル)、大統領のいとこのラーミー・マフルーフ氏が運営するブスターン慈善協会(26万8,000ドルをUNICEFが拠出)などに及ぶという。
こうした支援に関して、国連の報道官は同紙に対して「シリア政府とつながりがある機関を通じて物資やサービスを提供することと、緊急に必要とされる生活支援なしに民間人を放置することのいずれかを選択しなければならないのなら、選択肢は明らかで、我々は民間人を支援することが義務です」と述べたという。
AFP, August 30, 2016、AP, August 30, 2016、ARA News, August 30, 2016、Champress, August 30, 2016、The Guardian, August 30, 2016、al-Hayat, August 31, 2016、Iraqi News, August 30, 2016、Kull-na Shuraka’, August 30, 2016、al-Mada Press, August 30, 2016、Naharnet, August 30, 2016、NNA, August 30, 2016、Reuters, August 30, 2016、SANA, August 30, 2016、UPI, August 30, 2016などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.