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シリア政府の動き
国内通商消費者保護省は灯油価格を15%を引き上げる決定を官報を通じて発表した。
これにより灯油は1リットルあたり20シリア・ポンドから23シリア・ポンドに引き上げられる。
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SANA(7月16日付)は、軍事情報局ダマスカス郊外県課長のルストゥム・ガザーラ少将が政権を離反したとの報道を否定したと報じた。
国内の暴力(シリア政府側の発表)
SANA(7月16日付)によると、ダマスカス県のナフル・イーシャで治安維持部隊が反体制武装集団と15日に交戦し、反体制武装集団はタダームン区に逃走した。
その後、タダームン区で捜索活動が同地区で行われ、爆弾が爆発し反体制武装集団に甚大な被害が出た、という。
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『ワタン』(7月16日付)によると、治安維持部隊は、ダマスカス県内のタダームン区、ダッフ・シューク地区、ナフル・イーシャ地区、カダム区、カフルスーサ区、ダマスカス郊外県ハジャル・アスワド市などでの反体制武装集団によるいわゆる「ダマスカス大戦」に備えて、軍と合同で厳戒態勢にあたっており、複数の武装集団と交戦し、アジトを破壊するなど甚大な被害を与えている、という。
国内の暴力(反体制勢力の発表)
シリア人権監視団など反体制勢力は、ダマスカス県マイダーン地区に「初めて軍の装甲車や兵員輸送車輌が入った」と主張し、「小・中火器を使用して」反体制武装集団との交戦を続けたと発表した。
しかしダマスカス県内で激しい戦闘が行われた地区はそのいずれもが、過去数ヶ月にわたって反体制武装集団が拠点とし、治安維持部隊と散発的に戦闘を繰り返してきた地域であり、ダマスカス県内に「新たに戦闘が拡大した」との見方は必ずしも的を射たものではない。
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自由シリア軍国内合同司令部(カースィム・タキーッディーン大佐)は声明を出し、「ダマスカス火山、シリア地震:ヒムスとマイダーン救済」作戦と銘打って、政府の「虐殺と野蛮な犯罪への報復」として、各地の軍・治安部隊を本部、支部、拠点に対する大規模攻撃を現地時間午前8時に開始したと宣言した。
同声明では、軍・治安部隊、シャッビーハのすべての検問所の包囲・殲滅、全国の主要幹線道路の閉鎖、軍・治安部隊の士官・兵士の離反を呼びかけた。
またアサド政権を支持するヒズブッラー、イラン・イスラーム革命防衛隊、イラクの民兵、パレスチナ組織も標的とすると宣言した。
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シリア人権監視団によると、ダマスカス県マイダーン地区での交戦は「戦闘に質的な変化」をもたらし、「革命運動家が首都に入ったことを意味しており…、政権への明確な脅威となっている」と主張した。
また「軍は制圧不可能と分かり、装甲車を派遣した。このことは政権の弱さを示しており、ダマスカスに革命勢力が存在することを意味する…。彼らは地元の住民であり、外部からやって来た者ではない。そして地元住民に保護されている」と豪語した。
しかし複数の活動家によると、「軍と反体制武装集団が激しい戦闘を行い、数百人が逃げまどった」。
彼らによると、交戦は15日晩から激化し、マイダーン地区のほか、ザーヒラ地区、タダームン区、ジャウバル区でも行われているという。
http://www.youtube.com/watch?v=9Pdj_aH0FAI&feature=player_embedded
http://www.youtube.com/watch?v=MdnBpiiW2Io&feature=player_embedded
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によるとカタナー市で軍・治安部隊が砲撃を加えた。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市各地に対する砲撃が続く一方、軍・治安部隊と反体制武装集団が交戦した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ジャラーブルス市で、反体制武装集団の戦闘員4人が殺害された。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、ダイル・ザウル市で青年1人が射殺された。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ワスターニー山で、軍・治安部隊と反体制武装集団の交戦が続いた。
反体制勢力の動き
シリア・ムスリム同胞団はイスタンブール郊外で2日間の予定で大会を開催した。
大会では組織の強化、反体制運動支援方法などが審議される予定。
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シリア国民評議会はイスタンブールで声明を出し、アサド政権が首都ダマスカスを「反抗する地区に対する戦場」にし「悲劇的結果」をもたそうとしていると非難した。
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イスタンブール在住の離反兵アドナーン・スィルウ少将は、アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長とコフィ・アナン特使を、アサド政権によるシリア国民の虐殺を幇助した罪で裁判にかけると主張した。
『ラアユ』(7月16日付)が報じた。
またシリア革命合同軍事指導部を名のる組織の結成を宣言した。
同少将は、離反前は化学兵器の使用に関する軍指導部の司令官を務めていたと豪語している。
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シリア・クルド国民評議会と西クルディスタン人民議会の代表が一同に会し、「クルド経済評議会」会合が開かれ、シリアのクルド人の経済活動の活性化についての審議がなされ、強力な経済インフラの整備、クルド人に対する差別・偏見の撤廃、貧困撲滅の必要などが確認された。
レバノンの動き
シリア軍はベカーア県バアルベック郡カーア地方からロケット弾による砲撃を受け、同地に進入し、反撃した。
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「リダー軍」を名のる集団が声明を出し、レバノン国内で避難生活を送るシリア人に帰国するよう呼びかけた。レバノンの声(7月16日付)などが報じた。
諸外国の動き
UNSMISのスーザン・ゴシェ報道官は声明を出し、監視団がトゥライムサ村で2度目の調査を行い、軍・治安部隊が人口密集地区で重火器を使用したとの証言を得たと発表した。
声明では、27人の住民に聴取し、「砲撃が7月12日午前5時から始まった…。軍は家を一件一件捜索し、身元を確認し、殺害された者もいたし、村の外に連れ去られた者もいた」との証言を得たことが明らかにされた。
シリア政府に人口密集地区で重火器使用停止と民間人の保護に必要なあらゆる措置を講じるよう求めた。
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ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣はアナン特使との会談に先立って記者会見を開き、シリア情勢をめぐる安保理での審議に「挑発を行おうとする勢力がいることを遺憾に思う」と述べ、西側の姿勢を「建設的でなく、危険で、受け入れられない」と非難する一方、「UNSMISを圧力をかけるためのカードとして利用することは受け入れられない…。我々のパートナー(西側諸国)が我々の決議案を反故にすることを決定すれば、国連の任務は承認されないことになってしまい、(UNSMIS)はシリアを去ることを余儀なくされる」と警鐘を鳴らした。
またアサド大統領の退任に関して「我々が支持しているからではなく、大多数のシリア国民が支持しているがゆえに、退任しないだろう」と述べた。
そのうえで「我々は、アナン特使の停戦案、国連安保理決議、ジュネーブでの声明といった我々全員が合意したことを支持しているのだ」と付言した。
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ロシアのヴィタリー・チュルキン国連代表大使は記者団に対して、「我々はこのような決議案には反対票を投じると明言した」と述べ、国連憲章第7章に基づくアサド政権への制裁を科そうとする西側(英国提出)の決議案に拒否権を発動する意思を示した。
またチュルキン大使は、「自分たちの政治的アジェンダを伸長しようとする者がいれば、彼らがこのミッション(UNSMIS)を継続したくないと考えているということだ」と述べた。
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スーザン・ライス米国連代表大使は、ロシアの決議案が採決に必要な9カ国の支持さえ得られないだろうと述べた。
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モロッコ外務協力省は、ナビーフ・イスマーイール駐モロッコ・シリア大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」とみなし、出国を要請した。
これを受け、シリアの外務在外居住者省はムハンマド・イフサースィー駐シリア・モロッコ大使を互恵関係に基づき「ペルソナ・ノン・グラータ」とみなした、と発表した。
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イラクのアリー・ムーサウィー首相付顧問はAFP(7月16日付)で、離反したナウワーフ・シャイフ・ファーリス駐イラク・シリア大使を「あらゆる手段で追及するだろう。なぜならテロリスト潜入の幇助は犯罪だからだ」と述べた。
ファーリス大使は『サンデイ・テレグラフ』紙(7月15日付)で、ダイル・ザウル県知事在任中にイラクへのジハード主義者の潜入を支援したと証言していた。
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ヨルダンのファーイズ・タラーウィナ首相は、シリア情勢に関して、対話では危機は解消しない、と述べ、安保理に介入を求めた。
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アラン・ジュペ前フランス外務大臣は、フランス・インタル(7月17日付)で、コフィ・アナン特使の任務を終わらせるべきだと述べた。
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赤十字国際委員会のアレクセス・ヒーブ報道官は、シリア情勢が「内戦」とみなしえるとしたうえで、すべての当事者に対して「国際人道法を遵守」するよう求めた。
AFP, July 16, 2012、Akhbar al-Sharq, July 16, 2012、al-Hayat, July 17, 2012, July 18, 2012、Naharnet.com, July 16, 2012、al-Ra’y, July 16, 2012、Reuters, July 16, 2012、SANA, July 16, 2012、Sooryoon.net, July 17, 2012、al-Watan, July 16, 2012などをもとに作成。
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