2011年8月31日のシリア情勢

反体制運動をめぐる動き

ダマスカス郊外県、アレッポ県、ダルアー県、ヒムス県、ハマー県、イドリブ県など各地で反体制デモが行われ、数十人が軍・治安部隊によって逮捕された。

ダマスカス郊外県では、空軍情報部が在米の反体制活動家でシリア政治の研究者でもあるラドワーン・ズィヤーダ教授の弟ヤースィーン・ズィヤーダ氏を逮捕した。同氏はダマスカス郊外県のダーライヤー市でイード・フィドルのデモに参加、身柄を拘束された。

アレッポ県では、人権活動家のイブラーヒーム・マラキー弁護士がAFPに語ったところによると、アレッポ市でムスタファー・スライマーン弁護士夫妻と訪問客の3人が逮捕された。

ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ハウラ地方に軍治安部隊が突入し、16人を逮捕、その際、少なくとも5人が負傷。突入の2日前、治安部隊が8月第1週に誘拐・殺害した13人の遺体を引き渡されていたハウラ地方の住民の怒りは頂点に達していたという。

シリア人権監視団や複数の住民によると、ハマー県では、軽戦車、輸送車輌数十両、軍・治安部隊兵士数百人がハマー市のクスール地区、ハミーディーヤ地区に突入、活動家の捜索を行った。

複数の活動家によると、イドリブ県では、カフルルーマー村で治安部隊がデモ参加者に発砲し、1人が殺害された。

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アレッポ県の医師118人が連名で声明を出し、医師に対する身柄拘束、逮捕、拷問を行わないよう呼びかける。

http://www.syrianeg.net/

http://www.syrianeg.net/

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シリア人権監視団は、ラマダーン月の弾圧による死者数を発表した。それによると死者数は473人、うち民間人は360人、113人が軍人・治安要員。またうち28人がヒムス県で身柄拘束後に拷問を受け殺害、25人が18歳以下で、14人が女性だという。なお、8月3日から10日にかけてのハマー市での犠牲者は調査が困難だったため含まれていない。

諸外国の動き

ロシアのドミトリー・ロゴジン駐NATO大使は、RTのインタビューに対して、NATOがシリアへの軍事作戦はないとの考えを示した。その理由とした同大使は「イスラエルの安全保障に影響を及ぼすからだ」と述べた。

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フランスのニコラ・サルコジ大統領は、駐フランス大使会議でシリアの反体制デモへのバッシャール・アサド政権の弾圧について触れ、「シリア大統領は改革できないことを犯した。フランスとその友好国はシリア国民の自由と民主主義への要求を実現するため、法的に可能なあらゆることを行うだろう」と述べた。

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ビクトリア・ヌーランド米国務省報道官はシリアの刑務所での身柄拘束者への拷問を非難。

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3月14日勢力事務局長のファーリス・スアイド氏はLBCに出演し、「シリアの体制は息詰まっている…。国際社会はシリアの体制が崩壊に向かっているとのシグナルを送っている」と述べる一方、シリアの混乱をヒズブッラーと結びつけ、「もしヒズブッラーがシリアの体制に固執し、革命に反対すれば、それは全世界に対抗することを意味する…。こうした行動は、ヒズブッラーだけでなくレバノンを非難に曝すことになる」と非難した。

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Naharnet, August 31, 2011

Naharnet, August 31, 2011

ワリード・ジュンブラート党首は進歩社会主義党の若手メンバーとの会合で、バッシャール・アサド大統領と現下のシリアの体制を厳しく非難、取りまきの支配サークルに囚われの身となったアサド大統領が自らの退任を求めるデモや抗議行動に対処するため「治安的解決」を選択したことは、「アサドが早晩退任し、シリア国民の意思が最終的に勝利する」ことを示している、と述べた。

AFP, August 31, 2011, al-Ḥayāt, September 1, 2011, September 2, 2011、Kull-nā Shurakā’, August 31, 2011、Naharnet.com, August 31, 2011、Reuters, August 31, 2011。

(C)青山弘之All rights reserved.

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