イドリブ県内の空軍情報部の複合施設で兵士複数名による離反が発生するなか、サファル内閣がトルコによる対シリア経済制裁発動への4点の対抗措置を承認(2011年12月4日)

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アサド政権の動き

SANA(12月4日付)は、アーディル・サファル内閣が閣議を開き、トルコによる対シリア経済制裁発動への対抗措置に関して審議したと報じた。

同報道によると、この審議で以下4点が承認された。

1. シリア・トルコ自由通商協定の停止
2. トルコからのすべての輸入品に対する30%の課金
3. トルコに出国するディーゼル車輌に対して、排気量に応じて、灯油1リットルあたり80シリア・ポンドを徴収。
4. トルコの貨物車輌に対して、積載可能重量×総今日距離×0.02ユーロを徴収。

反体制勢力の動き

シリア国家建設潮流は声明を出し、アサド政権に対してアラブ監視団受け入れに関するアラブ連盟の議定書を受諾するよう改めて求めた。

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『ワタン』記者のムハンマド・アミーン氏が12月4日付で声明を出し、「革命支持」を表明した。

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シリア情報表現の自由センターは、シリア・ヨルダン国境で反体制活動家のラッザーン・ガザーウィー女史が逮捕されたと発表した。

同女史はアンマンで開催されるアラブ世界報道の自由擁護会合に出席する予定だった。

反体制武装闘争をめぐる動き

複数の活動家によると、イドリブ県にある空軍情報部の複合施設で、3日晩から4日未明にかけて複数の工作員が離反し、施設を脱走した。

脱走に際して離反工作員と治安当局の間で交戦があったという。

イドリブ市のある活動家によると、離反兵が同複合施設近くに集結し、逃走を支援した模様。

『ハヤート』(11月5日付)によると、「秘密警察」における離反はこれが初めてだという。(筆者注:しかし、諜報機関や治安維持機関などからの離反は、フェイスブックなどで配信されている離反兵の映像などによるとたびたび行われている)

またシリア人権監視団によると、イドリブ県マアッラ・ニウマーン地方北部の検問所で治安当局が小型バスに発砲し、8人を殺害した。

一方、SANA(12月5日付)は、イドリブ県で治安維持部隊が武装テロ集団を追跡し、多数を殺害、逮捕し、大量の武器を押収したと報じた。

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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、ヒムス市で治安機関が車に発砲し、子供3人を含む4人を殺害した。

またラスタン市近郊のイッズッディーン町でも民間人2人が殺害された。

一方、SANA(12月5日付)は、ヒムス市ハーリディーヤ地区でバアス大学のミヤーダ・スユーフィー教授が武装テロ集団の襲撃で殺害されたと報じた(シリア人権監視団は市内の検問所で殺害されたと発表している)。

また同報道によると、ヒムス市の別の地区でも市民複数が武装テロ集団によって殺害された。

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SANA(12月5日付)は、ダイル・ザウル県で爆弾を仕掛けようとしていた武装テロ集団のメンバーを治安維持部隊が発見し、殺害したと報じた。

諸外国の動き

トルコのザフェル・チャーラヤン経済大臣はシリア・トルコ自由通商協定停止などのシリアによる対抗措置に関して、「シリア国民、工場主、輸出業者、プロジェクト関係者を制裁している」と非難した。

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アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は『ハヤート』(12月5日付)の取材に対して、シリアのワリード・ムアッリム外務大臣がアラブ監視団受け入れに関する議定書の署名の是非に関して「2、3日の猶予」を求めてきたことを明らかにした。

アラビー事務総長はそのうえで「とにかく、彼らには好きなだけ時間はある。しかしアラブ諸国はあらゆる分野、セクターでシリアをボイコットすることを決定した…。ボイコットはすでに始まっている」と述べた。

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イラクのヌーリー・マーリキー首相は、ジョー・バイデン米副大統領の訪問を受けるかたちで、シリア情勢に関して、シリア国民評議会にバグダード訪問を呼びかけた。

法治国家ブロックのイフサーン・ヤースィーン議員は『ハヤート』(12月5日付)に対して、「シリアの体制が誰からも明らかなように、鉄拳支配を行う権威主義体制である現下において、イラクはシリアのデモ参加者の要求を支持している…。しかしこの問題にいかに対処するかをめぐるイラクの視点は他の国の視点とは異なっている」と述べた。

そのうえで同議員は「イラクはシリア国民評議会などのシリアの反体制勢力にバクダード訪問と危機の平和的解決のための対話を呼びかける」と述べつつ、「経済制裁は体制ではなく、シリア国民に打撃を与える、我々はイラクで同じような経験をした」と述べ、制裁に疑義を呈した。

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ジェフリー・フェルトマン米国務次官補は訪問先のアンマンで記者団に対して、シリアでの「野蛮な弾圧」を停止させるための平和的な方法を検討している、と述べた。

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レバノンの進歩社会主義党党首、ワリード・ジュンブラート議員は、自身の誕生日に合わせて声明を出し、レバノン特別法廷をめぐる3月14日勢力と3月8日勢力との対立そのものを批判、シリアでの危機をめぐりレバノンが内戦に陥る危険に対処するべきだと主唱した。

AFP, December 4, 2011、Akhbar al-Sharq, December 4, 2011、al-Hayat, December 5, 2011, December 6, 2011、Kull-na Shuraka’, December 3, 2011,
December 4, 2011、Naharnet.com, December 4, 2011、Reuters, December 4, 2011、SANA,
December 4, 2011などをもとに作成。

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