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国内の暴力
ヒムス市バーブ・アムル地区完全制圧後も軍・治安部隊は各地で反体制勢力に対する掃討作戦を継続、シリア人権ネットワークによると、74人が死亡した。
またSANA(3月3日付)によると、ダルアー市ダウワール・ミスリー地区で武装テロ集団による自爆テロが起き、2人が死亡、約20人が負傷した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、フラーク市で反体制武装集団(離反兵)が軍・治安部隊兵士6人を殺害、9人を負傷させた。
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ヒムス県では、シリア人権ネットワークによると、ヒムス市ではバーブ・アムル地区に隣接するジャウバル区に対して軍・治安部隊が朝から激しい砲撃を加えた。
赤十字国際委員会のヒシャーム・ハサン報道官は、同委員会とシリア赤新月社が軍・治安部隊制圧直後に当局からヒムス市バーブ・アムル地区への人道支援を許可されたにもかかわらず、同地区への進入を禁じられ続けていると述べた。
反体制活動家らによると、アサド政権は国際赤十字委員会に「虐殺」の現場を見せたくないために、人道支援の受け入れを渋っている、という。
またロイター通信(3月3日付)は、国境なき医師団のフランス人医師でヒムス市で反体制勢力の負傷者らの治療に当たっていたジャック・ベレー氏が、「もしこの地区(バーブ・アムル地区)にいたら、私もコルヴィン氏と同じように終わっていた。この地区で人々の治療にあたることなどできない。状況は耐えられない」と述べ、バーブ・アムル地区の惨状を訴えた。
一方、『ハヤート』(3月4日付)は、ヒムス市バーブ・アムル地区から脱出した英国人カメラマンのポール・コンロイ氏が現地の様子に関して、「戦争ではない、虐殺だ。男性、女性、子供に対する無差別虐殺だ」と語ったと報じた。
軍・治安部隊のヒムス市バーブ・アムル地区の制圧後にシリアからレバノンに脱出したフランス人ジャーナリストのエディット・ブヴィエ女史とウィリアム・ダニエル氏に関して、『ル・フィガロ』(3月3日付)は、軍・治安部隊が外国人ジャーナリストを直接狙ったと報じた。
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ハマー県では、SANA(3月3日付)によると、ハマー市マシャーウ地区で治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、後者のメンバー1人を殺害、多数を逮捕した。
ハッターブ村でも治安維持部隊が武装テロ集団と交戦し、後者のメンバー1人を殺害した。
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ダイル・ザウル県では、反体制活動家によると、ダイル・ザウル市で若者3人が殺害された。
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イドリブ県では、アナトリア通信(3月3日付)によると、シリア軍兵士2,000人と戦車15輌が対トルコ国境沿いのアイン・バイダーに突入し、同村を制圧した。
シリア人権ネットワークによると、アブー・ズフール空軍基地で離反した兵士47人が処刑され、スィーハ湖に遺棄された。
シリア人権監視団によると、イドリブ市近郊で市民3人が自動車爆弾に巻き込まれ死亡した。
またサラーキブ市で2員が治安部隊によって射殺され、マアッラト・ヌウマーン市でも1人が射殺された。
アサド政権の動き
シリアのバッシャール・ジャアファリー国連大使は、潘事務総長の姿勢に関して「シリアに敵対する者の証言にしか依拠していない」と批判した。
またサウジアラビアやカタールに関しては、「反体制武装集団に資金と武器を供与すると公言した一部の国々は…シリアの体制転換だけでなく、シリアの国家そのものを変えてしまおうとしている」と述べ、そうした行為が地域全体を混乱させると警鐘をならした。
また湾岸諸国も国民の権利を制限していると非難した。
反体制勢力の動き
トルコで活動するシリア革命最高軍事評議会(ムスタファー・シャイフ准将)が声明を出し、自由シリア軍と民間人保護委員会との間でなされたとされる合意(シリア国民評議会による軍事顧問局設置の決定と思われる)を拒否すると発表した。
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『クッルナー・シュラカー』(3月5日付)によると、国内で反体制活動を行うダマスカス民主変革宣言事務局のスライマーン・シャムル氏が治安当局に逮捕された。
諸外国の動き
ロシア外務省報道官は、ジャズィーラ(3月3日付)に対して、シリアに(西側が)軍事介入しても、ロシアが1980年のシリア・ソ連友好条約に従ってシリアを軍事支援することはない、と述べつつ、一部の国々がシリアの反体制勢力の武装化を行おうとしていることを強く批判した。
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サウジアラビアのアブドゥッラー・ムアッリム国連大使は、GCCを代表して、「シリア国民を救済し、正統性を失った政府に対するその自衛能力を支援するためあらゆる努力」を行うとの意思を示した。
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エジプトのマーギド・アブドゥルアズィーズ国連大使は、アサド政権に対して、「国民に耳を傾ける」よう呼びかけるとともに、人道支援を受け容れるよう求めた。
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国連の潘基文事務総長は、「多元的・民主的体制をもたらすような政治解決」に向けて国際社会が統一してあたるよう呼びかけた。
一方、国連難民高等弁務官は、2011年3月の反体制運動発生以降レバノンに避難してきたシリア人が7085人に達したと報告書で発表した。
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英国のウィリアム・ヘイグ外務大臣は、アサド政権がバーブ・アムル地区への人道支援を依然として受け容れていないことに関して、「殺戮、拷問、弾圧に加えて、人道支援の拒否していることは、政権が犯罪者であることを示すもの」と非難した。
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トルコのアフメト・ダウトオール外務大臣は、アサド政権がバーブ・アムル地区への人道支援を依然として受け容れていないことに関して、「人道に対する罪を毎日犯しているなかで…別の犯罪」と非難した。
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ヨルダンのアブドゥッラー国王はシリア情勢に関して、「シリア情勢がどのように進展するか予測不可能…。現時点でシリアは疑問符だ」と述べ、周辺諸国への影響を懸念した。
一方、『ハヤート』(3月4日付)は、ヨルダンのリバーウ・スィルハーン地方に設置が決定されているシリア人非難民キャンプに関して、ヨルダン政府が正式な開設を躊躇していると報じた。
最大の原因は1990年代の湾岸戦争後のイラク人非難民の大量流入に伴うインフラや天然資源への圧力が再び生じることへの懸念。
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AFP(3月3日付)は、パレスチナのハマースのマフムード・ザッハール政治局員が、ハーリド・ミシュアル政治局長のシリア出国後もアサド政権と断交していないと述べ、シリアでの事態正常化を望んでいるとの意思を示したと報じた。
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ジェイ・カーニー米ホワイトハウス報道官はシリア情勢に関して、「アサド政権が行う蛮行のビデオを見れば誰でも、一方的な発砲しか行われてないことが分かる」と述べ、暴力と殺戮停止のための国際的な努力への近隣諸国への参加を呼びかけた。
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アラブ連盟のアフマド・ベン・ヒッリー事務副長は、ナビール・アラビー事務総長がカイロでインドのS.M.クリシュナ外務大臣と会談し、シリアでの暴力停止と人道支援受け入れを求める安保理決議採択を支持するよう求めた、と述べた。
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SANA(3月3日付)は、ヒムス市バーブ・アムル地区で死亡した米国人記者マリー・コルヴィン女史(『サンデー・タイムズ』)、フランス人カメラマンのレミー・オシュリク氏の遺体をシリア咳新月社がポーランド大使館とフランス大使館にそれぞれ引き渡したと報じた。
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ヒューマン・ライツ・ウォッチは、ドバイでのアサド政権への抗議デモを行ったシリア人に対するUAE当局の国外追放処分を批判した。
AFP, March 3, 2012、Akhbar al-Sharq, March 3, 2012、al-Hayat, March 4, 2012、Kull-na Shuraka’, March 3, 2012, , March 4, 2012, March 5, 2012、Naharnet.com, March 3, 2012、Reuters, March 3, 2012、SANA, March 3, 2012などをもとに作成。
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