シリアのアル=カーイダと目されるシャーム解放機構が軍事・治安権限を掌握するイドリブ県、ハマー県北部、ラタキア県北部、アレッポ県西部の緊張緩和地帯では、シリア・ロシア軍が攻撃を激化させてから59日目となる6月29日、シリア・ロシア軍は爆撃を継続、シリア軍とシャーム解放機構などからなる反体制武装集団が交戦した。
シリア人権監視団によると、4月30日以降の戦闘による犠牲者数は前日より6人(民間人0人、シリア軍兵士6人、反体制武装集団戦闘員0人)増えて2,076人となった。
うち、532人が民間人(女性105人、子供132人を含む)、707人がシリア軍兵士、837人が反体制武装集団戦闘員。
シリア軍戦闘機による爆撃回数は75回を記録、ロシア軍も13回の爆撃を行った。
またシリア・ロシア両軍の地上部隊による砲撃は600発におよんだ。
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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でカフルサジュナ村、カフルシャラーヤー村、アブー・ライーダ村、ウンム・ザイトゥーナ村、タッルアース村、アーミリーヤ村、カフル・アイン村、マダーヤー村、カンスフラ村、マアッラト・マーティル町、マシューン村、ヒーシュ村、フバイト村、アブディーター村、ハザーリーン村、マアッラト・ハルマ村、マアッルズィーター村、ナキール村、ハーン・シャイフーン市一帯、イフスィム町、マルイヤーン村、バルユーン村、ジャバーラー村、ラカーヤー村、シャイフ・ムスタファー村に対して爆撃を実施するとともに、ヘリコプターでカフル・アイン村、ウンム・ザイトゥーナ村、マダーヤー村、カフルサジュナ村一帯、フバイト村一帯に「樽爆弾」を投下した。
またシリア軍は地上部隊がバアルブー村一帯を砲撃した。
ロシア軍もフバイト村、ウライニバ村、ストゥーフ・ダイル村を爆撃した。
一方、SANA(6月29日付)によると、シリア軍がナキール村、フバイト村からシャイフ・ムスタファー村、ラカーヤー村、トゥラムラー村、カフルサジュナ村にいたる回廊地域でシャーム解放機構の拠点を砲撃した。
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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が戦闘機でタッル・ミルフ村、ジャビーン村、カフルズィーター市、ジャイサート村、ラターミナ町、ザカート村に対して爆撃を実施、地上部隊がカフルズィーター市、ラターミナ町、ジャビーン村、タッル・ミルフ村、アルバイーン村、ハスラーヤー村、カストゥーン村、ザカート村などを砲撃した。
ロシア軍もジャビーン村、タッル・ミルフ村を爆撃した。
一方、SANA(6月29日付)によると、シリア軍がタッル・ミルフ村、ワーディー・ウスマーン、ザカート村にあるシャーム解放機構、イッザ大隊(イッザ軍)の拠点を砲撃した。
他方、新興のアル=カーイダ系組織フッラース・ディーン機構、アンサール・ディーン戦線、アンサール・タウヒード、アンサール・イスラーム集団からなる「信者を煽れ」作戦司令室が声明を出し、県西部のガーブ平原でロシア軍の偵察用小型無人航空機(ドローン)を撃墜したと発表、その写真を公開した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がザンマール町、ジャズラーヤー村、アレッポ市ラーシディーン地区、ハイヤーン町を砲撃した。
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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がカッバーナ村一帯、トルコマン山一帯を砲撃した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を7件(ラタキア県)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を9件(ハマー県)確認した。
AFP, June 29, 2019、ANHA, June 29, 2019、AP, June 29, 2019、al-Durar al-Shamiya, June 29, 2019、al-Hayat, June 30, 2019、Ministry of Defence of the Russian Federation, June 29, 2019、Reuters, June 29, 2019、SANA, June 29, 2019、SOHR, June 29, 2019、UPI, June 29, 2019などをもとに作成。
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