2011年7月17日のシリア情勢

反体制勢力の動き

『ハヤート』(7月18日付)によると、ダマスカス県で「第1回世俗主義大会」が開催され、「共生」のスローガンのもと約100人が参加した。

SANA, July 17, 2011

SANA, July 17, 2011

シリア人権ネットワークと世俗主義青年運動が主催したこの大会は「世俗主義国家(建設)を今後の段階を指導するための唯一の解決策として提示することでシリア社会の各層の結束を強化する」ことをめざしている。

シリア民主党のムスタファー・カルアジー書記長は「世俗主義は社会的要請であり、政治的なお飾りなどではない」と述べ、「世俗主義は、政治と宗教の関係を調整する手段であり、民主国家は世俗主義なしには存在し得ない」と強調した。

一方、大会主催者の一人でシリア人権ネットワークのイリヤース・フルヤーニー氏は「世俗国家はすべての宗教と思想を擁護することを保障するのに対し、宗教国家は他者を認めず、宗教的統治のもとで多元主義を敵視する」と述べ、「民主主義は世俗国家のもとでなければ実現しない」と力説した。

世俗主義青年運動を指導するリーン・ミールーさんは「イラクの多元主義がそうであったように、シリアの多元主義を擁護できるものは世俗主義以外にない」と述べた。

大会閉幕声明では、人権最高会議の結成、言論犯・政治犯、裁判を受けていないすべての逮捕者の即時釈放が確認された。

また避難民の強制帰還、職を失った人々への任意の補償を呼びかけた。

現下の危機的状況に関して、閉幕声明は、祖国救済のための対話のテーブルにつき、危機を脱却することを各団体に呼びかけるとともに、人権を口実とした外国の干渉を拒否した。

また寛容の文化、意見の相違の受容、あらゆる排他的・優越主義的な行為の停止の必要を強調し、変化を国民的ニーズとみなし、民主主義を政治体制とする必要を確認した。

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トルコのイスタンブールで反体制活動家が開催していた「国民救済大会」が閉幕声明を発表して、閉幕した。

『ハヤート』(7月18日付)によると、閉幕声明では、「政権が犯した殺戮…により、政権は正統性を失った」としたうえで、「体制打倒に向けた平和的闘争の強化」、「公正な民主国家建設のための国民的オルターナティブの提示」を行うことで合意した。

声明ではまた、移行期政府「国民救済委員会」を設置し、権力の平和的移譲を行うとのヴィジョンを命じした。

国民救済委員会は、シリアのすべての階層を代表する75人のメンバーからなり、このうち50人が国内の代表者、25人が在外活動家から構成され、治安機関の解体、立憲制の確立、民主的多元的市民国家の建設をめざすという。

しかし、変革青年運動政治局のワーイル・ハーフィズ氏によると、閉幕声明に至る議事は難航したという。

ハーフィズ氏によると、シリア・ムスリム同胞団の主導のもとで進められ、参加者は在外活動家25人の国民救済委員会代表メンバーを選出したが、その権能をめぐって議論が紛糾、一部の活動家はイスラーム主義者が大会を牛耳ろうとしていると批判、これを受け国内の代表者50人も代表メンバーにすることが取り決められたのだという。

またクルド人活動家らは、体制転換後の国号を「シリア・アラブ共和国」から「シリア共和国」に変更するよう主張し、他の参加者と対立、シリア・クルド・ムスタクバル潮流が大会を脱会した。

シリア政府の動き

ダマスカス県ウマウィーイーン広場に面するオペラ・ハウスで、アサド大統領就任宣誓演説(2000年7月17日)11周年の祝典が催され、同広場周辺に数十万の市民が集まり、包括的改革プログラム支持、外国の干渉拒否が訴えられた。

また同様の集会、祝典はダマスカス県以外の各地でも行われ、各会場には数百人から数万人が参加、全長1キロを超える巨大なシリア国旗が広げられ、改革支持が訴えられた。

SANA, July 17, 2011

SANA, July 17, 2011

SANA, July 17, 2011

SANA, July 17, 2011

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SANA(7月17日付)などシリアの国営メディアは、イスタンブールでの反体制勢力による「国民救済大会」を「祖国に対する煽動」と批判した。

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SANA(7月17日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市の住民162人が避難先から自宅に帰宅した。

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SANA(7月17日付)によると、ヒムス県、ダイル・ザウル県で「武装テロ集団」に殺害された軍兵士、治安部隊隊員3人の葬儀が両県の軍事病院で行われた。

国内の暴力

ダイル・ザウル県では、複数の住民によると、1,000人以上の兵力、戦車、ヘリコプターからなる軍部隊(第4機甲師団)がブーカマール市を包囲し、進入の準備を進めているという。

al-Hayat, July 18, 2011

al-Hayat, July 18, 2011

またこれに先だって、住民数万人が前日の抗議デモに対する軍・治安弾圧に抗議し、治安部隊に離反を呼びかける行動を行い、数千人が街頭で「軍、民衆は手を携えて」とシュプレヒコールを連呼した。

『ハヤート』(7月18日付)によると、この呼びかけに呼応して少なくとも100人の空軍情報部員と装甲車4輌の両乗組員が離反し、デモ参加者に加わったという。

活動家の一人はロイター通信(7月17日付)に対して「デモ参加者は善意を示し、軍の兵員輸送車輌を退却させた。政権は、ブーカマール市を攻撃すれば激しい抵抗に遭い、イラクの部族が住民を支援するために国境の向こう側に控えていることを知っている」と語った。

別の活動家は「ブーカマール市すべてが殺戮行為後、街頭に出た。装甲車両が街の中心に入り、彼らを阻止しようとしたが、人の波に飲み込まれて、ことは終わった」と述べた。

一方、SANA(7月17日付)によると、「武装テロ集団」がブーカマール市で土曜日夜、治安要員3人を殺害した。

また『ワタン』(7月17日付)は、「武装テロ集団」がイラク国境地域で混乱を煽り、一色触発の状態に陥ったブーカマール市を攻撃する準備を行っている、と報じた。

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ダマスカス郊外県では、ザバダーニー市で住民が『ハヤート』(7月18日付)に明らかにしたところによると、軍・治安部隊が家々を家宅捜索し、数十人を逮捕した。

ザバダーニー市内の医師はロイター通信(7月17日付)に電話で「治安部隊が住民を輸送車輌に押し込んでいった。逮捕は無差別で、その多くがデモとは無関係だった。障害者の男性や15歳になるその息子も逮捕された」と述べた。

一方、シリア人権連盟によると、作家で反体制活動家のアリー・アブドゥッラー氏がダマスカス南部のカタナー市での治安維持活動のなかで逮捕された。

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ヒムス県では、複数の目撃者によると、ヒムス市に戦車4輌と兵員輸送車輌が進入し、市内中心部のハーリディーヤ交差点に集結しているという。

またシリア人権監視団によると、体制支持派と反体制派がヒムス市内街区で衝突した。

この衝突は、体制支持者3人が先週、何者かに誘拐され、一昨日、家族が彼らの遺体を引き取ったことを受けて発生した。

『ハヤート』(7月18日付)によると、この衝突で少なくとも30人が死亡した。

これに関して、人権活動家は、親体制派と反体制派が市内中心部のハダーラ通りで始まり、その後周辺地区で対立が拡大したとしたうえで、犠牲者のほとんどが「狙撃兵の銃弾」で死亡したと断じた。

レバノンの動き

SANA, July 17, 2011

SANA, July 17, 2011

SANA, July 17, 2011

SANA, July 17, 2011

レバノン人女性400人以上が8台のバスに分乗し、シリアを訪問した。

これは「レバノンのマリアム夫人」キャンペーンの一環で、「国家、国民、そして愛国的立場が立ち向かっている混乱と国際社会の陰謀に直面するシリアを支援する」ことをめざしているという。

AFP, July 17, 2011、Akhbar al-Sharq, July 17, 2011、al-Hayat, July 18, 2011, July 19, 2011、Kull-na Shuraka’, July 17, 2011、Naharnet,
July 17, 2011、Reuters, July 17, 2011、SANA, July 17, 2011などをもとに作成。

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