2011年7月18日のシリア情勢

シリア政府の動き

シリア内務省は声明を出し、ヒムス市での治安悪化に関して、「オートバイに乗った覆面集団が国民の集会に乗じて、テロ破壊行為を行い…市民の平和を乱そうとしている」と発表した。

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シリア学生国民連合のアンマール・サーアーティー総裁は、『ワタン』(7月18日付)のインタビューに応じ、「バアス党は社会と国家を指導する党である」と定めた憲法第8条の改正を「断固拒否する」と発表した。

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SANA(7月18日付)によると、クナイトラ県ハーン・アルナバ市では、アサド大統領の包括的改革プログラム支持、外国の干渉拒否を訴えるデモが行われ、数千人が参加し、全長500メートルの巨大なシリア国旗が広げられた。

またタルトゥース市でも同様のデモが行われ、数千人が参加し、全長1.5キロのシリア国旗が広げられた。

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SANA(7月17日付)によると、イドリブ県ジスル・シュグール市の住民198人が避難先から自宅に帰宅した。

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SANA(7月17日付)によると、ヒムス県で「武装テロ集団」に殺害された軍兵士、治安部隊隊員3人の葬儀がヒムス軍事病院で行われた。

国内の暴力

ヒムス県では、複数の目撃者と活動家が述べたところによると、軍用バス6輌が新たに混乱するヒムス市内に進入した。

同バスは兵士を載せて、スィッティーン街道からハーリディーヤ、バイヤーダ地区に向かったという。

治安部隊の増員は17日の市内での体制支持派と反体制派の衝突を受けた動きで、これに対して、『ハヤート』(7月19日付)などによると、市内では衝突で30人が犠牲となったことへの抗議としてゼネストが行われたという。

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ダマスカス郊外県では、複数の活動家・目撃者によると、ハジャル・アスワド市に治安部隊の大型バス4輌が到着した。

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ダマスカス郊外県では、地元の活動家によると、カタナー市で、軍の戦車・兵士、治安部隊が駐留を続け、パトロールを行ったという。

また軍部隊が夜間、ハーン・シャイフ・キャンプの住宅を家宅捜索した。

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ダイル・ザウル県では、シリア革命調整連合によると、ブーカマール市を包囲する軍・治安部隊司令部が同市の「革命家」と10日間の休戦を合意した。

この休戦に基づき、軍と治安部隊はブーカマール市外に撤退し、市内で犠牲となった犠牲者に哀悼の意を表して3日間喪に服し、平和的にデモを行い、住民が設置したバリゲードのうち市内に設置されたものは維持して、市外に設置されたものについては撤去することが決められたという。

諸外国の動き

複数の外交筋が明らかにしたところによると、カタールはダマスカスの大使を引き上げ、大使館を閉鎖した。

大使館閉鎖は体制支持派による大使館襲撃を受けた措置である。

駐シリア・カタール大使館高官がAFP(7月18日付)に述べたところによると、ザーイド・ハイヤーリーン駐ダマスカス・カタール大使は「先日、シリアを離れ、大使館は活動を凍結した」と述べた。

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欧州諸国外務大臣は昨日、シリアの「体制転換」を呼びかけ、アラブ連盟にこの問題を推し進めるよう非難、「アラブ連盟は少なくともデモ参加者への発砲停止に向けて、シリアに対してより積極的且つ断固たる態度で臨まねばならない」と述べた。

AFP, July 18, 2011、Akhbar al-Sharq, July 18, 2011、al-Hayat, July 19, 2011、Kull-na Shuraka’, July 18, 2011、Naharnet, July 18, 2011、Reuters, July 18, 2011、SANA, July 18, 2011、al-Watan, July 19, 2011などをもとに作成。

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