ラタキア県で軍兵士の離反に加え大規模な爆発および交戦が発生するなか、露外務省が声明のなかでアサド政権による反体制武装集団掃討への支持を表明(2012年4月28日)

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国内の暴力

反体制勢力のシリア情報センターのスィーマー・マラキー報道官は、ラタキア県の人民宮殿近くの軍部隊で約30人が離反し、大きな爆発が複数回あったと発表した。

シリア人権監視団は、ラタキアの女性活動家スィーマー・ナッサール氏の話として、人民宮殿がある同県ブルジュ・イスラーム近くで複数の士官、兵士が離反し、軍…治安部隊と交戦している、と発表した。

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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、ダーライヤー市、アルバイン市などで、軍・治安部隊と離反兵が交戦、カラムーン山地一帯では離反兵10人が殺害された。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、カンスフラ村、カフル・ウワイド市で軍・治安部隊と離反兵が交戦した。

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『クッルナー・シュラカー』(4月28日付)は、シリアの総合情報部パレスチナ課がファタハ・イスラームのメンバーを家族とともに多数誘拐し、シリア国内での爆弾テロなどを実行させている、と報じた。

アサド政権の動き

シリアの外務在外居住者省のジハード・マクディスィー報道官は、声明を出し、NATOに対トルコ国境の保護を求めるとのトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン首相の発言に関して、「挑発的」であり、アナン特使の停戦案を「反故にしようとする」発言と批判した。

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『ティシュリーン』(4月28日付)は、潘基文事務総長の27日の発言に関して、「武装集団による(停戦)違反について話すことを避けている」と社説で批判した。

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『サウラ』(4月28日付)は、潘基文事務総長の27日の発言に関して、「なぜテロリストの撤退を要求しないのか?なぜ彼らの存在、役割、その支持者、資金援助者について指摘しないのか?」と非難した。

シリア国内でのその他の動き

SANA(4月28日付)は、ビラード・シャーム・ウラマー連合、シリア暴力犯罪犠牲者監視団、アラブ社会主義連合党などが27日のダマスカス県マイダーン地区などでの自爆テロを非難する声明を次々と発表したと報じた。

諸外国の動き

ロシア外務省は声明を出し、「我々はシリアで活動するテロリストへの断固たる抵抗が存在することに満足している」と発表、アサド政権による反体制武装集団掃討への支持を表明した。

AFP, April 28, 2012、Akhbar al-Sharq, April 28, 2012、al-Hayat, April 29, 2012、Kull-na Shuraka’, April 28, 2012、Naharnet.com, April 28,
2012、Reuters, April 28, 2012、SANA, April 28, 2012などをもとに作成。

 

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