アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シャーム解放機構の精鋭部隊であるアサーイブ・ハムラー(赤鉢巻)部隊をはじめとする反体制武装集団が、アレッポ市ザフラー地区に侵攻、爆弾を積んだ車3台で自爆攻撃を行うなどして、マーリーヤ交差点、大使徒モスクなどを制圧した。
戦闘はまた、アレッポ市南のカルアジーヤ村、ハミーラ村でも発生した。
ANHA(2月1日付)によると、反体制武装集団が撃った迫撃砲弾がアレッポ大学工学部、同建築工学部、大学寮一帯に着弾した。
ANHA、SANA(2月1日付)によると、シリア軍はシャーム解放機構などからなる反体制武装集団の支配下にあるのカフルハムラ村、アレッポ市ダフラト・アブドゥラッブフ地区、ライラムーン地区、ハーン・トゥーマーン村一帯、ハーリディーヤ村一帯を砲撃した。
一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がハーン・アサル村、フール村、M5高速道路沿線、フール村にあるフダー病院が被弾し、利用不能となった。
シリア軍ヘリコプターもアレッポ市西部・南部郊外各所を「樽爆弾」で爆撃した。
**
イドリブ県では、SANA(2月1日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、ルーフ村、カムハーナ村を制圧した。
一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がサラーキブ市、アルバイーン山一帯を、シリア軍戦闘機がサラーキブ市およびその一帯、M5高速道路沿線、M4高速道路沿線、煉瓦工場、アルバイーン山、アリーハー市、マストゥーマ村、タフタナーズ市、ナバーリーズ丘を爆撃し、ナバーリーズ丘では住民1人が死亡した。
シリア軍ヘリコプターもサラーキブ市およびその一帯、アーフィス村を「樽爆弾」で爆撃した。
またシリア軍がサラーキブ市一帯への進攻を続け、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、カフルバッティーフ村を制圧した。
**
一連の戦闘により、2月1日の1日だけで、シリア軍兵士56人、反体制武装集団戦闘員42人が死亡した。
これにより1月24日以降の死者は、シリア軍および親政権民兵が261人、「イランの民兵」の外国人戦闘員が6人、反体制武装集団が262人となった。
**
ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を37件(イドリブ県12件、ラタキア県15件、アレッポ県0件、ハマー県10件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を24件(イドリブ県10件、ラタキア県0件、アレッポ県14件、ハマー県0件)確認した。
AFP, February 1, 2020、ANHA, February 1, 2020、AP, February 1, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 1, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 1, 2020、Reuters, February 1, 2020、SANA, February 1, 2020、SOHR, February 1, 2020、UPI, February 1, 2020などをもとに作成。
(C)青山弘之 All rights reserved.