シリア軍はイドリブ県に増派されたトルコ軍部隊を砲撃し兵士10人以上を殺傷、トルコ軍も反撃しシリア軍兵士数十人を殺害(2020年2月3日)

トルコ国防省は声明を出し、シリア軍がイドリブ県のトルコ軍拠点複数カ所を砲撃し、兵士4人が死亡、9人が負傷したと発表した(トルコ国防省はその後、死者数が6人に増えたと発表)。

これに対して、トルコ軍は砲撃で応戦したと発表した。

なお、シリア人権監視団によると、トルコ軍側の死者は兵士7人と民間職員1人の合わせて8人。

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シリア人権監視団によると、シリア軍が狙ったのはサラーキブ市西のタルナバ村に展開していたトルコ軍部隊の拠点1カ所。

トルコ軍は2日、戦車や兵員輸送車320輌からなる部隊をイドリブ県カフルルースィーン村に違法に設置されている国境通行所から5回に分けてシリア領内に侵入させ、アレッポ市西部郊外やM4高速道路沿線に配置していた。

シリア人権監視団によると、トルコ軍はまた、3日にも、カフルルースィーン村の国境通行所を通じて、戦車や兵員輸送車など100輌からなる増援部隊をシリア領内に進入させた。

部隊は3つの車列に分けられてシリア領内に入ったという。

なお、トルコ軍が部隊を派遣したイドリブ県、アレッポ県では、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構、トルコが後援する国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室がシリア・ロシア軍の激しい攻撃に晒され、後退を続けていた。

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トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領はウクライナ訪問に先立ってイスタンブール国際空港で記者会見を開き、イドリブ県でシリア軍の攻撃によってトルコ軍兵士多数が死傷したことへの報復として、シリア国内各所を砲撃し、シリア軍兵士数十人を殺害したと発表した。

エルドアン大統領は「トルコ軍のF-16戦闘機複数機、さらには砲兵部隊が、シリア政府側の標的40カ所を攻撃し、政府軍兵士30~35人が無力化した」と述べた。

トルコ軍部隊は、シリア政府側の標的46カ所に対して122発の砲弾と100発の迫撃砲弾を撃ち込んだという。

エルドアン大統領はまた「トルコはイドリブ県に駐留する部隊への攻撃への報復を続ける…。シリア政府はこの手の卑劣な攻撃を通じて自らの決意を試すことになる…。自分たちが大きな過ちを犯したことを知るだろう」と付言した。

一方、ロシアに対しては「あなた方(ロシア)ではなく、(シリアの)体制が我々の対峙している当事者だ。我々は事態が複雑にならないことを願っている…。トルコ軍士官はあなた方ロシアの士官と密に連絡をとり、これに基づき作戦を継続する」と述べた。

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シリア人権監視団によると、トルコ軍の反撃で、イドリブ県でシリア軍兵士8人、ラタキア県で3人、ハマー県で2人が死亡した。

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エルドアン大統領の発表を受け、トルコ人とアラブ人の活動家がツイッターなどのSNSを通じて、ハッシュタク「#İdlip」のついた英語、アラビア語、トルコ語の書き込みを拡散し、「アサド体制への処罰」を呼びかけた。

AFP, February 3, 2020、ANHA, February 3, 2020、AP, February 3, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 3, 2020、Reuters, February 3, 2020、SANA, February 3, 2020、SOHR, February 3, 2020、UPI, February 3, 2020などをもとに作成。

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