イドリブ県では、SANA(2月5日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、県東部のタッル・トゥーカーン村、イスラーミーン村、ライヤーン村を制圧した。
これにより、シリア軍はタッル・トゥーカーン村に設置されていたトルコ軍監視所を包囲するとともに、サラーキブ市を射程圏内に収めた。
シリア人権監視団によると、シリア軍はまた、ラサーファ村、シャイフ・マンスール村、ドゥワイラ村、アーフィス村、アブー・ハッシャ村、ジャラース村を制圧した。
一方、シリア軍はヘリコプターでタフタナーズ市およびその一帯を爆撃、女児1人が死亡した。
ロシア軍戦闘機もイドリブ市一帯を爆撃し、住民3人が死亡した。
また、イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(2月5日付)によると、ロシア軍がアリーハー市を爆撃し、メディア活動家のアムジャド・アクタラーティー氏(通称アムジャド・アブー・ジャウド)と有事のファーディー・ラッハール氏が死亡した。
アクタラーティー氏は1989年生まれで、西側メディアに写真などを提供していた。
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アレッポ県では、SANA(2月5日付)によると、シリア軍がシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室との戦闘の末、ジャズラーヤー村、ザンマール町を制圧した。
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これに対して、シャーム解放機構などからなる反体制武装集団は、シリア政府支配下のアレッポ市ハムダーニーヤ地区を砲撃し、子ども1人を含む住民4人が死亡、7人が負傷した。
一方、シリア人権監視団によると、シリア軍がアンジャーラ村を砲撃し、住民1人が死亡した。
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シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士19人、反体制武装集団戦闘員7人が死亡した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を25件(イドリブ県8件、ラタキア県11件、アレッポ県0件、ハマー県6件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を15件(イドリブ県4件、ラタキア県0件、アレッポ県11件、ハマー県0件)確認した。
AFP, February 5, 2020、ANHA, February 5, 2020、AP, February 5, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 5, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 5, 2020、Reuters, February 5, 2020、SANA, February 5, 2020、SOHR, February 5, 2020、UPI, February 5, 2020などをもとに作成。
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