イドリブ県では、SANA(2月6日付)によると、シリア軍地上部隊がサラーキブ市内に突入し、市内で地雷や爆発物の撤去作業を開始した。
これに関して、シリア人権監視団は、シリア軍地上部隊がイドリブ市内に入り、2011年の「アラブの春」は旧以来初めて同市を完全制圧したと発表した。
一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がイドリブ市を爆撃し、子ども2人を含む住民10人が死亡した。
また、シリア軍戦闘機がタフタナーズ市を爆撃し、子ども1人が死亡した。
両軍の爆撃は、クマイナース村、ナイラブ村一帯、サルミーン市、ムサイビーン村、サラーキブ市一帯、イドリブ市一帯、ビンニシュ市にも及んだ。
シリア軍はさらに地上部隊がイドリブ市を砲撃し、住民1人が死亡した。
これに対して、シャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室は、トルコ軍の砲撃支援を受けて、ナイラブ村一帯のシリア軍に対して激しい攻撃を加えた。
ドゥラル・シャーミーヤ(2月6日付)によると、シャーム解放機構は爆弾を積んだ車で自爆攻撃を行い、シリア軍の第1防衛戦と第2防衛戦を突破することに成功したという。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がハイヤーン町を爆撃し、女性1人が死亡した。
ロシア軍はまたシリア軍戦闘機とともに、ズィルバ村、ズィーターン村、ハラサ村、M5高速道路沿線を爆撃した。
シリア軍はさらに、地上部隊がアウラム・クブラー町、アナダーン市を砲撃し、アウラム・クブラー町では女性1人を含む4人が死亡、アナダーン市ではアナダーン医療センターが利用不能となった。
一方、SANA(2月6日付)によると、シリア軍がハラサ村一帯、カルアジーヤ村一帯、アナダーン市、フライターン市で活動を続けるシャーム解放機構などからなる反体制武装集団への砲撃を続けた。
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なお、シリア人権監視団によると、一連の戦闘でシリア軍兵士15人、反体制武装集団戦闘員20人が新たに死亡した。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県7件、ラタキア県14件、アレッポ県0件、ハマー県10件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を13件(イドリブ県6件、ラタキア県14件、アレッポ県0件、ハマー県10件)確認した。
AFP, February 6, 2020、ANHA, February 6, 2020、AP, February 6, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 6, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 6, 2020、Reuters, February 6, 2020、SANA, February 6, 2020、SOHR, February 6, 2020、UPI, February 6, 2020などをもとに作成。
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