2011年12月24日のシリア情勢

同時自爆テロ犠牲者の葬儀

23日のダマスカス県カフルスーサ区での同時自爆テロの犠牲者の葬儀がウマイヤ・モスクで行われ、数千人が参列した。

ウマイヤ・モスクに続くハミディーヤ市場の商店は喪に服して営業を自粛した。

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

SANA, December 24, 2011

会葬者はアサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を求めるデモ行進を行い、「アメリカに死を」とのシュプレヒコールを連呼した。

葬儀にはイスラーム教、キリスト教法曹界、バアス党シリア地域指導部メンバー、ムハンマド・アブドゥッサッタール宗教関係大臣などが参列した。

SANA(12月24日付)によると、ムハンマド・サイード・ラマダーン・ブーティー師は「ブルハーン・ガルユーンとその友人らからのシリアへのプレゼント」と述べ、シリア国民評議会の関与を疑った。

SANA(12月24日付)によると、バアス党シリア地域指導部が声明を出し、テロを「挙国一致を揺るがす試み」、「米・シオニズムの植民地主義的計略」、「シリアを分断し…、啓蒙的改革プログラムを破壊する試み」と非難すとともに、アラブ連盟監視団に「武装犯罪集団による殺戮、脅迫の真の証拠」を示したと主張した。

SANA(12月24日付)は、犠牲者葬儀に合わせて、タルトゥース県、スワイダー県、ダマスカス郊外県で自爆テロに抗議するとともに、アサド政権の改革支持、外国の干渉拒否を訴えるデモが各地で実施されたと報じた。

またダマスカス県カールストーン・ホテル広場、バーブ・シャルキー地区、ラタキア県ラタキア市では犠牲者を追悼するロウソク集会が夜間に開かれた。

反体制(武装)運動をめぐる動き

シリア国内調整諸委員会は、各地で治安当局によって25人が殺害されたと発表した。

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SANA(12月25日付)によると、ダマスカス郊外県のハラスター病院に勤務する軍医(耳鼻科医)のハイサム・ユースフ・ユーヌス大佐(ハマー出身)が武装テロ集団によって暗殺されたと報じた。

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「アフバール・シャルク」(12月25日付)は、治安当局がバアス党ヒムス支部前書記長で中央委員会メンバーのガーズィー・ズガイブ氏とラジャー・バッカール婦人をヒムス市バーバー・アムル地区の自宅で暗殺したと報じた。

息子のアブー・クサイ氏がアラビーヤ(12月25日付)に語ったところによると、暗殺後、「シャッビーハ」がテレビに出演して、父が「武装テロ集団」に暗殺されたと証言するよう求めたが、拒否したという。

また殺されたズガイブ氏は、ムハンマド・シャッアール内務大臣、ディーブ・ザイトゥーン政治治安部長、スブヒー・ハルブ・ヒムス支部書記長と会談した際、指名手配中の息子(アブー・クサイ氏)を引き渡すよう求められた、という。

そのうえで、「武装テロ集団が暗殺した」とのシリア公式筋の発表は偽の情報である、と述べた。

反体制勢力の動き

「アフバール・シャルク」(12月24日付)は、http://www.ikhwan-sy.comというシリア・ムスリム同胞団の偽サイトから、同時自爆テロへの犯行声明が出されたと報じた。

同報道によると、このサイトの管理人であるアミール・カッス・ナスルッラーは共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師の顧問であるバースィル・カッス・ナスルッラーの兄弟で、同サイトは11月30日に立ち上がったばかりだという。

なおシリア・ムスリム同胞団の公式サイトのURLはhttp://www.ikhwansyria.com

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シリア・ムスリム同胞団のズハイル・サーリム報道官は声明を出し、同時自爆テロの犯行声明を出したことを否定した。

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シリア国民評議会の使節団がカナダの外務大臣と会談し、「安全保障地域」設定の必要を強調した。

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シリア人権監視団は声明を出し、アラブ連盟監視団に対して、ヒムスを訪問し、人権侵害状況を調査・記録するよう求めた。

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国内で反体制運動を行うシリア国家建設潮流は声明を出し、テロを非難するとともに、「先導的メディアの言説」に惑わされないよう国民に呼びかけ、社会的分断を回避するよう訴えた。

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同じく国内で反体制運動を行う国民民主イニシアチブも声明をだし、テロ非難を非難し、「犯罪行為は平和的政治運動を貶め、民主的市民国家建設をめざす包括的政治改革への要求に挑むもの」と述べた。

諸外国の動き

国連安保理は、シリアでのテロ攻撃を非難し、アサド政権に弔意を示す声明を採択した。

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イラン外務省が声明を出し、自爆テロに関して、「シリアの国家安全保障に対する脅威」と非難する一方、それがシリアだけでなく地域の国々にとっても脅威となる、との立場を示した。

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イラクのジャラール・ターラバーニー大統領は、自爆テロを非難、国際社会に「犯罪勢力の包囲」を呼びかけた。

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反体制運動への弾圧が続くなか、シリア情勢へのコメントを控えてきたパレスチナのハマースは、同時爆破テロへの非難し、「政治的解決を通じて困難な危機を親愛なるシリアが脱却すべく支援を継続」するとの意思を示した。

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アラブ連盟監視団のムハンマド・アフマド・ムスタファー・ダービー団長がダマスカスに到着した。

監視団先遣隊はワリード・ムアッリム外務大臣と会談した。

サミール・サイフ・ヤザル先遣隊長によると、監視団本隊は12月26日にシリア入りする予定。

AFP, December 24, 2011、Akhbār al-Sharq, December 24, 2011、AKI, December 24, 2011、al-Ḥayāt, December 25, 2011、Kull-nā Shurakā’, December 24, 2011、Reuters, December 24, 2011、SANA, December 24, 2011などをもとに作成。

(C)青山弘之All rights reserved.

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