イドリブ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍地上部隊がナイラブ村一帯、ダーディーフ村一帯、アーフィス村一帯に展開するトルコ軍と、その支援を受けるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点を砲撃、トルコ軍と「決戦」作戦司令室がこれに応戦し、砲撃戦となった。
同監視団によると、シリア軍地上部隊はまた、M4高速道路沿線のフライカ村、マルジュ・ズフール村、バーラ村、ダイル・サンバル村、イフスィム町、カフルナブル市、マストゥーマ村を砲撃した。
SANA(2月21日付)も、シリア軍が、クマイナース村、アルバイーン山、アリーハー市一帯、カフルナブル市、ハーッス村で活動を続ける「決戦」作戦司令室の拠点に対して集中的に攻撃を加えたと伝えた。
一方、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機は、サルミーン市、クマイナース村、アリーハー市、アルバイーン山を爆撃、シリア軍戦闘機もザーウィヤ山などを爆撃した。
これに対して、トルコ軍は、カフルルースィーン村から戦車、装甲車など20輌を新たに進入させ、マストゥーマ村近郊に展開した。
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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機がアターリブ市、ダーラト・イッザ市一帯、カフル・ヌーラーン村、タカード村、シャイフ・スライマーン村、アブザムー町、タワーマ村を爆撃した。
SANA(2月21日付)も、シリア軍がアターリブ市一帯、ダーラト・イッザ市一帯で活動を続けるシャーム解放機構、国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる「決戦」作戦司令室の拠点に対して集中的に攻撃を加えたと伝えた。
一方、シリア軍とシャーム解放機構はアンジャーラ村近郊で捕虜・遺体交換を行った。
シャーム解放機構は「イランの民兵」の遺体一体を、シリア軍は戦闘員2人を引き渡したという。
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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を35件(イドリブ県16件、ラタキア県10件、アレッポ県5件、ハマー県4件)確認したと発表した。
トルコ側の監視チームは停戦違反を6件(イドリブ県6件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。
AFP, February 21, 2020、ANHA, February 21, 2020、AP, February 21, 2020、al-Durar al-Shamiya, February 21, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, February 21, 2020、Reuters, February 21, 2020、SANA, February 21, 2020、SOHR, February 21, 2020、UPI, February 21, 2020などをもとに作成。
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