ロシア・トルコ軍がイドリブ県のM4高速道路で合同パトロール、シリア軍の砲撃で国民解放戦線司令官1人死亡(2020年4月15日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから41日目となる4月15日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県2件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を0件(イドリブ県1件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県1件)確認した。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、トルコ軍とロシア軍がM4高速道路での合同パトロールを実施した。

両軍合同部隊はタルナバ村を出発、ナイラブ村までの区間をパトロールした。

一方、シリア軍はM4高速道路沿線のアリーハー市近郊のマアッルバリート村一帯を砲撃し、トルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)の司令官1人が死亡した。

シリア軍はまた、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村、フライフィル村、ハザーリーン村一帯を砲撃した。

対する「決戦」作戦司令室も応戦した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構と国民解放戦線などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ヤードゥーダ村でシリア軍第4師団を支援する予備部隊の隊員1人が何者かの発砲を受けて死亡した。

また、タスィール町でもヒズブッラー協力者1人が何者かによって殺害された。

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クナイトラ県では、シリア人権監視団によると、ナースィリーヤ村でシリア軍兵士が何者かの襲撃を受けて殺害された。

AFP, April 15, 2020、ANHA, April 15, 2020、AP, April 15, 2020、al-Durar al-Shamiya, April 15, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, April 15, 2020、Reuters, April 15, 2020、SANA, April 15, 2020、SOHR, April 15, 2020、UPI, April 15, 2020などをもとに作成。

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