各地で金曜礼拝後の大規模反体制デモが組織され死傷者が発生、シリア国民評議会は自由シリア軍との「連絡局」の設置に合意(2012年1月13日)

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反体制デモおよび国内の暴力

シリア革命調整委員会によると、ハマー県、ヒムス県、イドリブ県、ダマスカス県(バルザ、カダム、マイダーン、カーブーン)で金曜礼拝後に反体制デモが発生し、数万人が参加、軍・治安部隊と衝突し、子供2人を含む14人が殺害された、という。

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SNN, January 13, 2012

SNN, January 13, 2012

SNN, January 13, 2012

SNN, January 13, 2012

SNN, January 13, 2012

SNN, January 13, 2012

シリア人権監視団によると、イドリブ県、ヒムス県、ハマー県など各地で反体制デモが発生し、イドリブ県カフルナブル市で1人、ハマー県ハマー市で1人が安部隊の発砲により殺害された。

またダマスカス県内の農民総連合ビル前ではデモが発生し、治安部隊が発砲し強制排除、少なくとも15人を逮捕した。

治安部隊はダルアー県ジャースィム市、ダイル・ザウル県ダイル・ザウル市などで発生した反体制デモなどに対して発砲し、参加者を追跡・逮捕したという。

このほか、イドリブ県サラーキブ市では、軍・治安部隊が「戦車や重火器で砲撃」したという。

一方、タルトゥース県バーニヤース市で兵士3人が離反し、治安パトロール隊と交戦、またヒムス県では離反兵が兵員輸送バスを襲撃した。

さらにダマスカス県ドゥーマー市でも離反兵と軍が交戦した。

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フェイスブックなどでは「自由シリア軍支援の金曜日」と銘打って反体制デモが呼びかけられていた。

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一方、SANA(1月13日付)によると、ダマスカス郊外県のムラーフ地方で武装テロ集団の襲撃により治安維持部隊の士官1人を含む兵士3人が殺害され、3人が負傷した。

またヒムス県ヒムス市では、武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し2人が死亡、12人が負傷した。

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SANA(1月14日付)は、武装テロ集団がダイル・ザウル県とハサカ県を結ぶ高圧電線用鉄塔複数基を破壊したと報じた。

SANA, January 13, 2012

SANA, January 13, 2012

親体制デモ

SANA(1月13日付)によると、ハサカ県カーミシュリー市、ラアス・アイン市でアサド政権の改革路線支持、外国の介入拒否を訴える大規模集会が開催された。

反体制勢力の動き

シリア国民評議会は声明を出し、「シリア革命へのもっとも理想的な寄与を実現する」ための調整関係強化をめざし、自由シリア軍との間に「連絡局を設置し、兵士への政治的指示を行うためのサークルやプログラムを構築するための「直接連絡」を継続し、声明発表などでの協力を行うことに合意したと発表した。

同合意は、ブルハーン・ガルユーン事務局長を団長とするシリア国民評議会の使節団と自由シリア軍指導部(リヤード・アスアド司令官、マーリク・クルディー大佐)との会談で実現した、という。

Kull-na Shuraka', January 13, 2012

Kull-na Shuraka’, January 13, 2012

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ムハンマド・アフマド・シャイフ参謀付准将がシリア軍を離反し、逃亡先のトルコでロイター通信(1月13日付)の電話取材に応じ、これまでにシリア軍兵士約20,000人が離反したことを明らかにした。

同准将によると離反兵のほとんどはイスラーム教スンナ派。

シャイフ参謀付准将はイドリブ県出身でこれまで離反した士官のなかで最高位。

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民主変革諸勢力国民調整委員会のミーラ・ラフビー女史は声明を出し委員会を脱会したと発表した。

脱会の理由に関して、ラフビー女史は、「国民の希望や要求を政治的に表現できない反体制勢力の諸派に絶望した」と述べるとともに、委員会の決定が一部の活動家によって独占され、「民主制や透明性」を欠いている点などをあげた。

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エジプトのバウワーバ・アフラーム(1月13日付)は、反体制活動家がアスマー・アフラス大統領夫人を西側の制裁リストに追加するため努力を行っている、と報じた。

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「シリアへの自由輸送団」は声明を出し、同船団を支援するシリア人および外国人活動家がトルコから陸路でシリアへの入国を試みたが、当局に入国を拒否され、トルコ国境のキリス市でハンストを開始した、と発表した。

自由船団はトラック5台、自動車15台からなる。

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Elaph.com(1月13日付)は、自由シリア軍のアンマール・ワーウィー大尉が、タルトゥースに1月7日に寄港したロシア艦船が化学兵器(VXガス)をシリアに搬入したと述べた、と報じた。

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ヒムス県ヒムス市のバーブ・スィバーア地区でもっとも著名なシャイフの一人アナス・スワイド師はアラビーヤ(1月13日付)の取材に対して、アサド大統領が「無能で、その命令は何も意味をなしていない」と批判した。

アサド政権の動き

共和国ムフティーのアフマド・バドルッディーン・ハッスーン師はイフバーリーヤ・チャンネル(1月13日付)で、シャイフ・アブドゥルジャリール・サイード師がシリアの法曹界を離反したとのジャズィーラ(1月12日付)の報道に関して、「シリアにファトワー局などない。我々はアブドゥルジャリールなる人物を雇用したことなどない」と述べて否定した。

アラブ連盟の動き

アラブ連盟監視団からの脱退を宣言したアルジェリア人のアンワル・マーリク氏は声明を出し、ヒムス市で自身が目の当たりにした光景をフェイスブックに綴って以降、10回以上も殺害脅迫の電話を受けたと述べた。

また自身がダービー団長とともに最初にヒムス市バーブ・アムル地区に入った監視団に参加していたと述べ、その映像がシリア・アラブ・テレビなどを通じて放映され、またユーチューブにもアップされていると反論した。

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アラブ議会のアリー・サーリム・ディクバースィー議長はアラビーヤ(1月13日付)のインタビューに対して、アラブ連盟監視団は「もはや不要」との見方を改めて示した。

諸外国の動き

国連の潘基文事務総長はニューヨークからレバノンのベイルートに向かう専用機内で『ハヤート』(1月14日付)の取材に応じ、そのなかでアサド大統領が「正統性を失った。国民の殺戮を止めねばならない…。手遅れになる前に大胆な改革に踏み切らねばならない」と述べた。

また『ナハール』(1月13日付)の取材に対して、シリア情勢に関して国際社会が統一的な姿勢をとる必要があると述べた。

またカタールのハマド・ブン・ジャースィム首相兼外務大臣のニューヨークでの会談で、シリアをめぐる問題を安保理に付託する意思があることを明らかにしたと述べた。

アラブ連盟監視団に関しては、ナバネセム・ピレイ人権高等弁務官が「来週から監視団の訓練支援を始める」と述べたことを明らかにした。

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フランス司法当局は、テレビ・レポーターのジル・ジャキエ氏の殺害に関して、「殺人」容疑での調査を開始したと発表した。

またフランス・テレビ協会の広報部長は同氏の殺害に関して「疑わしい点がある…。例えば、兵士たちは発砲時になぜ突然と姿を消したのか?」と述べ、シリア政府の関与を暗に示唆した。

一方、フランス外務省報道官はシリア情勢に関して、飛行禁止空域の設定という選択肢が「現在提示されていない」と述べ、シリアへの軍事介入の可能性を改めて否定した。

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ロシア外務次官はシリア情勢への西側諸国の対応に関して、「体制転換をめざしている」と非難し、アサド政権の打倒をめざすような国際的な動きを拒否する姿勢を改めて明示した。

AFP, January 13, 2012、Akhbar al-Sharq, January 13, 2012、AKI, January 13, 2012、Alarabia.net, January 13, 2012、Bawwaba al-Ahram, January 13, 2012、Elaph.com, January 13, 2012、al-Hayat, January 14, 2012、Kull-na Shuraka’, January 13, 2012、al-Nahar, January 13, 2012、Reuters, January 13, 2012、SANA, January 13, 2012, January
14, 2012などをもとに作成。

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