ロシア・トルコ軍がイドリブ県のM4高速道路でパトロールを実施、投石を受ける(2020年5月28日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから84日目となる5月28日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を4件(イドリブ県3件、ラタキア県0件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認した。

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イドリブ県では、ドゥラル・シャーミーヤ(5月28日付)によると、ロシア軍とトルコ軍がM4高速道路で合同パトロールを実施した。

両軍部隊はこの日、タルナバ村を出発し、アリーハー市西のアウラム・ジャウズ村までの区間を巡回した。

沿線にはトルコ軍部隊が展開し、警戒活動にあたったが、各所で住民や戦闘員が投石などを行い、抗議の意思を示した。

一方、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地一帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

このほか、トルコ軍が、兵站物資を積んだ車輌約30輌からなる車列をカフル・ルースィーン村に違法に設置されている国境通行所からシリア領内に新たに進入させた。

AFP, May 28, 2020、ANHA, May 28, 2020、AP, May 28, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 28, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 28, 2020、Reuters, May 28, 2020、SANA, May 28, 2020、SOHR, May 28, 2020、UPI, May 28, 2020などをもとに作成。

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