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アラブ連盟の動き
アラブ連盟のナビール・アラビー事務総長は、一部アラブ諸国外相との協議の結果、連盟監視団の活動を停止し、今後の活動に関して2月5日(日曜日)の閣僚委員会会合で審議することを明らかにした。
この決定に関して、アラビー事務総長は、シリアにおける情勢悪化に伴う決定だと述べた。
国内の暴力
複数の反体制勢力筋によると、ダマスカス郊外県各地で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦した。
同筋によると、サクバー市、ジスリーン町、カフルバトナー町は離反兵が制圧(占拠)し、武装した戦闘員が警備にあたっている、という。
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ダマスカス郊外県では、シリア人権監視団によると、グータ地方東部で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦し、民間人6人、軍・治安部隊兵士16人、離反兵3人が死亡した。
また軍・治安部隊は、離反兵が制圧(占拠)しているとされるカフルバトナー町、サクバー市、ハムーリーヤ市、ジスリーン町、アルバイン市に戦車・装甲車などで突入し、掃討作戦を行ったという。
一方、ハラスター市でも、治安部隊が設置した検問所で青年1人が銃殺された。
これに対して、SANA(1月28日付)は、アドラー市・ドゥーマー市館で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、曹長1人を含む7人を殺害されたと報じた。
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ヒムス県では、シリア人権監視団によると、フーラ地方で軍・治安部隊と離反兵が激しく交戦し、軍・治安部隊兵士が少なくとも5人死亡した。
またラスタン市でも同様の戦闘があり、離反兵3人が死亡したという。
さらに複数の活動家によると、ハマー市内で頭を撃たれた遺体17体が発見された。
しかし、SANA(1月28日付)によると、ヒムス市郊外で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、兵士1人を殺害した。
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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市郊外で治安部隊の発砲により市民1人が殺害されたという。
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イドリブ県では、SANA(1月28日付)によると、イドリブ・アリーハー街道で武装テロ集団が治安維持部隊を襲撃し、兵士1人を殺害した。
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ダイル・ザウル県では、シリア人権監視団によると、クーリーヤ市で治安部隊の「迫撃」により子供1人が死亡した。
一方、SANA(1月28日付)によると、クーリーヤ市南部の石油パイプラインに対して、武装テロ集団が破壊工作を行い、火災が発生し、約2,000バレルの石油が焼失した。
アサド政権の動き
ムハンマド・シャッアール内務大臣は、国内での掃討作戦に関して、「ならず者と法律違反者の粛清」を行っていると述べた。
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SANA(1月28日付)は、シリア政府が活動期間延長に合意したにもかかわらず、アラブ連盟が監視団の活動中止を決定したことは遺憾であり奇妙だ、とのシリア政府高官の談話を伝えるとともに、この決定が、GCC諸国の監視団撤収決定に同調した動きで、シリア国内の暴力の継続が理由ではなく、シリア内政への外国の干渉を促すための布石だと非難した。
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『クッルナー・シュラカー』(1月28日付)は、PKK系のクルド民族主義政党、民主統一党が12月の統一地方選挙で選出された県議会および地方議会の開会後に、アサド政権との合意のもと、ハサカ県の暫定自治開始を宣言する見込みである、と報じた。
反体制勢力の動き
シリア国民評議会は声明を出し、ブルハーン・ガルユーン事務局長ら使節団がニューヨークに向かい、安保理で民間人保護を保障するよう求めることを明らかにした。
また同声明で評議会は、「自由を求めるシリア国民の殺戮に参与するイラン政府」を批判する一方、世界中のロシア大使館でシリアの体制指示停止を求めるデモを行うよう呼びかけた。
さらに、サウジアラビア、カタールなどのGCC諸国がシリア国民を支援し、流血を止めようとしていると評価し、謝意を示した。
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シリア国民評議会執行委員会のアフマド・ラマダーン氏は『ハヤート』(1月29日付)に対して、「増加し、減少することのない殺戮行為を隠蔽するより、撤収する方がよい」と述べ、アラブ連盟監視団の活動停止への歓迎の意を示した。
国連の動き
西側諸国および一部アラブ諸国が共同で作成した安保理決議案をモロッコ(2011年にレバノンに代わって非常任理事国に選出)が安保理に提出した。
『ハヤート』(1月29日付)によると、同決議案は、シリア政府にあらゆる攻撃と人権侵害への禁止を求めるとともに、武装集団を含むすべての当事者に暴力停止を求めている。
アラブ連盟が11月に決定した経済制裁に関しては、すべての加盟国に同様の措置を講じるよう奨励している。
また、大統領権限の副大統領への権限移譲と挙国一致内閣発足を求めた連盟の行程表についてもこれを「強く支持」し、その実施をシリアに求めているが、強制力は伴っていない。
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ロシアの国連代表は、決議案に関して対話する用意があるとしつつ、その内容に関して「越えてはならない我々のレッドラインを越えている」と非難し、アサド政権への制裁、武器禁輸、体制転換をも拒否するとの意思を示した。
諸外国の動き
イスタンブールで、GCC外相とアフメト・ダウトオール外相が会談し、シリア政府に対して連盟の行程表を受諾し、殺戮を停止するよう求めた。
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SANA(1月28日付)は、ヒムス県のジャンダル発電所で働くイラン人技術者7人が武装テロ集団に誘拐されたことをイラン高官が確認したと報じた。7人はレバノン北部に連れ去られた、という。
また同報道によると、アレッポ・ハマー街道でイラン人巡礼者11人が武装テロ集団に誘拐されたと報じた。
AFP, January 28, 2012、Akhbar al-Sharq, January 28, 2012、al-Hayat, January 29, 2012、Kull-na Shuraka’, January 28, 2012、Reuters, January
28, 2012、SANA, January 28, 2012などをもとに作成。
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