シリア軍はイドリブ県とラタキア県への砲撃を続ける(2020年5月31日)

英国を拠点に活動する反体制系NGOのシリア人権監視団によると、ロシア・トルコ首脳会談で合意された停戦が発効(3月5日深夜)してから87日目となる5月31日、シリア・ロシア軍、トルコ軍の爆撃は確認されなかった。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を5件(イドリブ県5件、ラタキア県0件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、所属不明の無人航空機(ドローン)が県南部のルワイハ村、バイニーン村一帯にある反体制武装集団の拠点を爆撃した。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるカッバーナ村を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、ダルアー市の国立病院前で第4師団の兵士1人が正体不明の武装集団に撃たれて死亡した。

AFP, May 31, 2020、ANHA, May 31, 2020、AP, May 31, 2020、al-Durar al-Shamiya, May 31, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, May 31, 2020、Reuters, May 31, 2020、SANA, May 31, 2020、SOHR, May 31, 2020、UPI, May 31, 2020などをもとに作成。

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