「決戦」作戦司令室がイドリブ県でロシア軍所属と思われるドローン1機を撃墜(2020年8月16日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから163日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室がザーウィヤ山地方のバイニーン村近郊の灌木地帯上空で、ロシア軍所属と思われる武装した無人航空機(ドローン)1機を撃墜した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

これに対して、シリア軍は「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のファッティーラ村、フライフィル村を砲撃した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のアンカーウィー村一帯を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるタディール村、カスル村を砲撃した。

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ダルアー県では、シリア人権監視団によると、タファス市で正体不明の武装集団が、シリア政府との和解に応じた元反体制武装集団メンバーを殺害した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を2件(イドリブ県0件、ラタキア県0件、アレッポ県2件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を1件(イドリブ県0件、ラタキア県1件、アレッポ県0件、ハマー県0件)確認した。

AFP, August 16, 2020、ANHA, August 16, 2020、AP, August 16, 2020、al-Durar al-Shamiya, August 16, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, August 16, 2020、Reuters, August 16, 2020、SANA, August 16, 2020、SOHR, August 16, 2020、UPI, August 16, 2020などをもとに作成。

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