トルコはイドリブ県アリーハー市の住民にビラを回付、地域の経済再生のためM4高速道路を再開させたいと表明(2020年9月8日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから186日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団、ドゥラル・シャーミーヤ(9月8日付)によると、トルコ軍が、M4高速道路の沿線に位置するアリーハー市の住民にビラを配布し、住民の声明と財産の保護に努めており、イドリブ県に対する軍事行動を阻止し、国内避難民(IDPs)を帰還させるすることが駐留の目的だとしたうえで、M4高速道路とM5高速道路の通行を再開させることで地域の経済生活を再生したいと強調し、理解を求めた。


一方、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のカンスフラ村、カフル・ウワイド村、ハルーバ村、フライフィル村、バーラ村、バイニーン村灌木地帯を砲撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

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ラタキア県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるクルド山地方のカッバーナ村の丘陵地帯を砲撃した。

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アレッポ県では、シリア人権監視団によると、県西部の第46中隊基地一帯でシリア軍とシャーム解放機構が交戦した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を3件(イドリブ県1件、ラタキア県1件、アレッポ県1件、ハマー県0件)確認したと発表した。

トルコ側の監視チームは停戦違反を確認しなかった。

AFP, September 8, 2020、ANHA, September 8, 2020、al-Durar al-Shamiya, September 8, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, September 8, 2020、Reuters, September 8, 2020、SANA, September 8, 2020、SOHR, September 8, 2020などをもとに作成。

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