ロシア軍がイドリブ県ザーウィヤ山地方のマガーラ村を2度にわたって爆撃(2020年10月20日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから227日目を迎えた。

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機複数機が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のマガーラ村を2度にわたって爆撃した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のフライフィル村、スフーフン村、ファッティーラ浦、カンスフラ村などを砲撃し、フライフィル村で戦闘員1人が死亡した。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア軍が「決戦」作戦司令室の支配下にあるガーブ平原のタッル・ワースィト村、ズィヤーラ町、カルクール村を砲撃し、カルクール村で女性1人が負傷した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を38件(イドリブ県21件、ラタキア県10件、アレッポ県6件、ハマー県1件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は33件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を5件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, October 20, 2020、ANHA, October 20, 2020、al-Durar al-Shamiya, October 20, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, October 20, 2020、Reuters, October 20, 2020、SANA, October 20, 2020、SOHR, October 20, 2020などをもとに作成。

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