トルコ軍がハマー県ムーリク市の第9監視所からの撤退を完了、シール・マガール村の第10監視所からの撤退を続ける(2020年11月2日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから242日目を迎えた。

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ハマー県では、シリア人権監視団によると、シリア政府支配地域内で孤立していたハマー県内のシール・マガール村の監視所(第10監視所)に駐留を続けていたトルコ軍部隊による撤収作業が続き、機材や装備を搬出するための大型車輌の車列が監視所内に入った。

一方、DPA(11月2日付)は、複数の目撃者の話として、トルコ軍がハマー県ムーリク市に設置していた第9監視所からの撤退を完了したと伝えた。

また、SANA(11月2日付)は、10月20日までにトルコ軍が撤退したハマー県ムーリク市の第9監視所の跡地の映像と写真を公開した。

 

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イドリブ県では、シリア人権監視団によると、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のバーラ村で、従業員を乗せてオリーブ搾油工場に向かっていたバスが砲撃を受け、1人が死亡、5人が負傷した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(国民軍)などからなる武装連合体。

また、シリア軍はザーウィヤ山地方のバイルーン村、カンスフラ村を砲撃した。

これに対し、「決戦」作戦司令室はシリア政府の支配下にあるカフルナブル市を砲撃した。

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ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県11件、ラタキア県10件、アレッポ県6件、ハマー県4件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 2, 2020、ANHA, November 2, 2020、DPA, November 2, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 2, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 2, 2020、Reuters, November 2, 2020、SANA, November 2, 2020、SOHR, November 2, 2020などをもとに作成。

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