ロシア軍戦闘機が「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方を13回にわたり爆撃する一方、ロシア軍所属と思われる自爆式ドローンがサルジャ村のシャーム解放機構の拠点を攻撃、ウズベク人戦闘員7人を殺害(2020年11月7日)

イドリブ県の緊張緩和地帯(第1ゾーン)は、ロシア・トルコが3月5日の首脳会談で停戦に合意してから247日目を迎えた。

**

イドリブ県では、シリア人権監視団によると、ロシア軍戦闘機が、「決戦」作戦司令室の支配下にあるザーウィヤ山地方のサルジャ村、シャンナーン村、ファルカヤー村、バイニーン村、イフスィム村に対して13回にわたり爆撃を実施した。

「決戦」作戦司令室は、シリアのアル=カーイダであるシャーム解放機構とトルコの庇護を受ける国民解放戦線(シリア国民軍)などからなる武装連合体。

また、ロシア軍所属と見られる無人航空機(ドローン)が、ザーウィヤ山地方のサルジャ村にあるシャーム解放機構の拠点に対して自爆攻撃を行い、ウズベク人戦闘員7人を殺害した。

**

ロシア国防省は声明を出し、過去24時間で「緊張緩和地帯設置にかかる覚書」への違反を31件(イドリブ県18件、ラタキア県5件、アレッポ県3件、ハマー県5件)確認したと発表した。

シリア政府によると、停戦違反は30件。

一方、トルコ側の監視チームは、停戦違反を10件確認したと発表した(ただし、ロシア側はこれらの違反を確認していない)。

AFP, November 7, 2020、ANHA, November 7, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 7, 2020、Ministry of Defence of the Russian Federation, November 7, 2020、Reuters, November 7, 2020、SANA, November 7, 2020、SOHR, November 7, 2020などをもとに作成。

(C)青山弘之 All rights reserved.