スイスのジュネーブで制憲委員会(憲法制定委員会)小委員会会合(第4ラウンド)が開幕(2020年11月30日)

スイスのジュネーブにある国連本部で、制憲委員会(憲法制定委員会)小委員会会合(第4ラウンド)が開幕し、シリア政府、反体制派、市民社会の各代表が参加した。

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SANA(11月30日付)によると、アフマド・クズバリー人民議会議員が代表を務めるシリア政府代表団は、難民の帰還を、人道面を含むさまざまなレベルにおいて重要な意味を持つとしたうえで、これを全国民的な原則として位置づける必要を強調した。

また、一部諸外国が、難民帰還の問題を政治問題化し、難民の苦難と生活困窮を持続させることで政治的・経済的利益を実現しようとしていると指摘、これを停止させ、難民帰還の障害をなくし、難民を脅迫し、帰還を阻止する動きを阻止するよう求め、そのためには制裁解除と復興が必要だと強調した。

そのうえで、シリア政府が、難民帰還を促すために講じてきた一連の施策によって、数十万人が帰国したことを強調した。

一方、「本物の難民」と「本物でない難民」に区別、後者の帰還には条件を設けるとの姿勢を示した。

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イナブ・バラディー(11月30日付)によると、これに対して、ハーディー・バフラ氏が団長を務める反体制派代表団は、法の支配、国民主権、国民アイデンティティ、社会契約など、憲法の前文と本文に明記されるべきとする諸原則(国民諸原則)に関する見解を示した。

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なお、第4ラウンドは12月4日までの予定。

AFP, November 30, 2020、ANHA, November 30, 2020、al-Durar al-Shamiya, November 30, 2020、‘Inab Baladi, November 30, 2020、Reuters, November 30, 2020、SANA, November 30, 2020、SOHR, November 30, 2020などをもとに作成。

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