ロシアのソチでアスタナ15会議が開幕:シリア、ロシアは「テロとの戦い」を強調(2021年2月16日)

ロシア、トルコ、イランを保障国とする停戦プロセスのアスタナ15会議がロシアの避暑地ソチで2日間の日程で開幕した。

会議には、ロシアのアレクサンドル・ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使、イランのアリー・アスガル・ハージー外務大臣補、トルコのセダト・オナル外務副大臣、イラク、レバノン、ヨルダンの各国代表、ゲイル・ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表、シリア政府代表団(アイマン・スーサーン外務在外居住者省次官が代表)、反体制派の代表団(シリア軍事革命諸勢力代表団、アフマド・トゥウマ氏が代表)が参加。

初日となる16日は、非公式の二者ないしは他者協議が行われ、17日に全体会合が予定されている。

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シリアのスーサーン外務在外居住者省次官を代表とする使節団は、ラヴレンティフ・シリア問題担当大統領特使と会合を開いた。

SANA(2月16日付)によると、スーサーン次官は会合で、トルコがこれまでの会議での合意を遵守することで、より多くの成果をもたらすことができるとの見方を示した。

会合では、「テロとの戦い」を継続する両国の決意が確認された。

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スーサーン次官ら使節団はまた、ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表と会談し、「テロとの戦い」を継続するとともに、違法な外国の駐留を終わらせる必要を強調した。

会談では、欧米諸国による一方的な制裁、ハサカ県ハサカ市とカーミシュリー市での「一部分離主義グループ」の活動の是非についても意見が交わされた。

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ロシアのラヴレンティフ特使は、ペデルセン・シリア問題担当国連特別代表と会談、その後の記者会見で、アスタナ15会議で危機の政治解決への支援、「テロとの戦い」継続が議論される予定だと述べた。

AFP, February 16, 2021、ANHA, February 16, 2021、al-Durar al-Shamiya, February 16, 2021、Reuters, February 16, 2021、SANA, February 16, 2021、SOHR, February 16, 2021などをもとに作成。

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