アレッポ県では、シリア人権監視団によると、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市とカシュタアール村にロシア軍部隊が再展開した。
ロシア軍は前日に、同地の拠点複数カ所から撤退し、これに合わせて「イランの民兵」の車列が14日早朝に展開していた。
「イランの民兵」の展開とロシア軍の再展開は、シーア派(12イマーム派)住民が暮らすヌッブル市、ザフラー町の防衛を強化するのが目的。
こうした動きを受けて、これに対してトルコ軍は、偵察機からタッル・リフアト市一帯にビラを散布し、同地で避難生活を送っているアフリーン市一帯地域からの国内避難民(IDPs)や住民に対して、シリア民主軍を排斥するよう呼びかけ、威嚇した。
一方、SANA(4月14日付)、ANHA(4月14日付)によると、トルコ軍とその支援を受けるシリア国民軍が、シリア政府と北・東シリア自治局の共同統治下にあるタッル・リフアト市近郊のシャワーリガ村、シャワーリガ砦、アイン・ダクナ村を砲撃した。
ANHAによると、トルコ軍とシリア国民軍はまた、マンナグ村を砲撃した。
また、バイナ村には、前日に続いて、トルコ軍の無人航空機(ドローン)が墜落した。
このほか、トルコの占領下にあるブルブル町では、シリア国民軍に所属するムハンマド・ファーティフ旅団の本部に何者かが手榴弾を投げ込み、戦闘員2人が死亡、2人が負傷した。
また、トルコの占領下にあるアフリーン市近郊のマイダーニカ村でシリア国民軍に所属するシャーム軍団のメンバーどうしが交戦し、戦闘員1人が死亡した。
AFP, April 14, 2021、ANHA, April 14, 2021、al-Durar al-Shamiya, April 14, 2021、Reuters, April 14, 2021、SANA, April 14, 2021、SOHR, April 14, 2021、April 15, 2021などをもとに作成。
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